ヒグマの生態
ヒグマは、日本に生息する陸棲哺乳類で最大の種で、国内では北海道のみに生息しています。
(1)大きさ
オス
体長2.0m程度、体重150~400kg程度
メス
体長1.5m程度、体重100~200kg程度
(2)特徴
視覚
昼夜問わずに行動できる視力を持っています。
嗅覚
とても鼻が良く、数十メートル先や土の中の臭いも嗅ぎつけます。
聴覚
とても耳が良く、音に対して敏感です。人がヒグマに気づく前にヒグマのほうが先に気づきます。
足が速い
時速50kmで走ることができます
(3)食べ物
冬
冬眠中(何も食べません。)
春
主に植物を食べます。
夏
フキなどの植物のほか、アリやザリガニなども食べます。
秋
木の実(ドングリ、クルミなど)や果実(ヤマブドウ、コクワなど)、地域によってサケなどをたくさん食べます。
(4)性格
- 群れを作らず単独や親子で行動します。大半は警戒心が強く、人を避けて生活しています。
- ヒグマは主に森林に生息していますが、時に、人家周辺に姿を現すことがあります。
- ヒグマは人を避けて行動するため、近くにヒグマが隠れていても、人が気づけないことがあります。
(5)ライフサイクル
誕生
ヒグマは、冬眠中に冬眠穴の中で出産します。生まれたばかりの子グマは、体重が400gほどしかありませんが、春に母グマと一緒に冬眠穴から出てくる頃には、4~5kgまで育ちます。
成長
ヒグマの子育てはメスのみが行い、オスは子育てには一切参加しません。子グマは親離れ(独り立ち)する1歳半~2歳半までの間に、生きる術を母グマから学びます。
親離れ(独り立ち)
成長した子グマは、1歳半または2歳半の夏頃に、母グマから離れて独り立ちします。メスは母グマの近くで生活しますが、オスは近親交配などを避けるため、母グマから遠く離れた場所へと移動していきます。独り立ちしたばかりの若いオスは、この時期に市街地付近に迷い出てしまうことがあります。
繁殖
ヒグマは、3~5歳頃に性成熟を向かえ、繁殖が可能になります。5~7月の繁殖期、オスは行動範囲を広げて山林を動き回り、複数のメスと交尾します。子グマを連れたメスは繁殖に参加しないので、メスと交尾するために、オスが子グマを殺してしまうことがあります。そのため、この時期の子連れのメスは、オスの動き回る山林を避けて市街地付近に出没することがあります。
寿命
ヒグマの寿命は20~30年程度と言われています。野生の個体は、動物園等で飼育されている個体と比べて寿命が短いと考えられますが、はっきりとしたことは分かっていません。
(6)ヒグマの一年
3~5月/冬眠明け
- 冬眠から目を覚まし、冬眠穴から出てきます。
- オス、子のいないメス、子グマを産んだメスの順番で出てくると言われています。
- 子グマを産んだメスは、5月上旬まで冬眠穴で過ごします。
5~7月/繁殖期
- オスはメスを求めて広い範囲を動き回ります。
- 発情期のオス同士の争いがあります。
- 母グマと子グマは行動を共にしています。
- 植物や昆虫など色々なエサを食べながら生活しています。
- 子グマは、生まれた翌年または翌々年に親離れします。
- オスを避けた子連れメスや、独り立ちしたばかりの若いオスが、市街地付近に出没しやすくなります。
8~9月/端境期
食べ物が少なく、ヒグマによる農作物の被害が発生しやすくなる時期です。
10~11月/冬眠の準備
冬眠に向けて、木の実やサケなど色々な食べ物をたくさん食べます。
12~3月/冬眠・出産
- 冬になって食べ物がなくなると冬眠します。
- 一般的に妊娠しているメスは、早めに冬眠穴に入り、翌年の1月下旬~2月にかけて1~3頭の子グマを冬眠穴の中で出産し、穴から出るまでの間、おっぱいだけで子グマを育てます。
参考:「ヒグマを正しく知ろう!(北海道)」
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