令和8年度市政方針説明
令和8年第1回市議会定例会において市長が説明した「市政方針説明」について、全文を掲載します。
令和8年第1回市議会定例会市政方針説明
本文
1.市政運営の基本方針
令和8年第1回定例会の開会に当たり、市政運営に対する私の所信と主な取り組みを申し上げます。
本市を取り巻く状況は、幅広い業種で景況感が改善傾向にあり、地域経済は緩やかながらも回復基調を維持しておりますが、原材料やエネルギー価格の高止まり、働き手不足といった課題から、停滞への懸念がみられます。
また、市民生活においては、物価高による家計負担増加への対策や医療・福祉、防災など、日常の安全・安心な暮らしを支える取り組みが求められています。
こうした現状認識のもと、新年度においては、重点課題である持続可能な医療提供体制の確保や自然災害への対策など、誰もが笑顔で安心して暮らせるまちづくりを進めます。
物価高対策では、子育て世帯への給付や商品券の配布を先行して進めておりますが、さらなる支援策については、国・北海道の施策を踏まえ、今議会でお示しします。
今後の市政運営においても、直面する課題に真摯に向き合い、市民との対話を重ねながら、「住み続けたいまち室蘭」の実現に向け、覚悟をもって取り組みます。
2.地域医療連携・再編等について
はじめに、地域医療連携・再編等にかかわる取り組みについて、申し上げます。
人口減少や少子高齢化の進行に伴う医療需要の変化、また、医師や看護師不足などの課題に対応し、将来にわたり持続可能な医療提供体制の確保を図るため、この間、室蘭市地域医療連携・再編等推進協議会における議論のほか、病院間での個別協議などを重ね、最終的に、市内3総合病院の目指す方向性について、関係者間の合意を得たところであります。
その中で、市立室蘭総合病院は、これまで同意された「第2次中間取りまとめを基本とした医療機関体制の考え方」に従い、現在、提供する医療サービスのうち、移管可能な医療サービスは地域の医療機関へ移管し、高度急性期・急性期機能等については製鉄記念室蘭病院への統合を目指します。
そして、その時期については、市立室蘭総合病院の経営状況を踏まえ、令和9年度中を目途とし、統合後、病院事業を閉じる決断に至りました。
このことは、市民が、この地域で引き続き医療を受け続けられる持続可能な医療体制を構築するため、また、病院事業会計の経営状況は、数年の間に室蘭市が財政再生団体に転落する危機的な水準であり、住民サービスの提供に深刻な影響が生じることを何としても避けるために、市長として、また市立室蘭総合病院の開設者として、熟考した結果であります。
今後は、市立室蘭総合病院の目指す方向性の実現、さらには、この地域における持続可能な医療体制の構築に向け、全力で取り組むとともに、地域医療を支え、誇りをもって働く市立室蘭総合病院の職員についても、最後まで働いていただける環境を守り、抱く不安に対して、最大限の誠意をもって対応していきます。
3.住み続けたいまち室蘭を目指して
次に、「住み続けたいまち室蘭」の実現に向けた4つの確かな柱に基づく主な取り組みを申し上げます。
なお、教育行政に係る基本的な考え方や施策については、教育長より、教育行政方針として申し上げます。
1.安心できるまちづくり
はじめに「安心できるまちづくり」であります。
市民が安心して生活するためには、日常の暮らしの中で安全が守られることはもとより、万が一の時にも支え合い、誰もが自分らしく暮らせる環境が重要です。
まず、頻発化する災害への対応では、国の補正予算を活用した備蓄の大幅な拡充や、津波災害時等における災害対策本部の機能強化のほか、避難所等を確認できるウェブサイトの活用などにより、適切な避難行動につなげます。
加えて、ヒグマなどの有害鳥獣対策についても、関係機関と連携し、迅速に対応できる実効性ある体制強化を図り、市民生活の安全確保に取り組みます。
子育て支援では、保育料の軽減やこども医療費助成など、子育てにおける負担軽減の取り組みを継続するとともに、企業や個人等と一体となった子育て応援体制の、より一層の充実を図り、地域全体での子育て環境づくりに取り組みます。
また、地域の療育拠点「あいくる」を中心とした、児童や保護者、地域住民との交流イベントを通じて、発達障害児の理解促進を図ります。
若年世代の定住促進では、西胆振圏域の構成市町と連携し、出会いや交流機会の創出につなげます。
町内会等の活性化では、「地域がつながる町内会ささえあい条例」の施行にあわせ、町内会こども体験学習や市民参加型の催し等を通じて町内会活動の重要性を広く発信し、地域におけるつながりの強化に取り組みます。
また、終活支援では、企業と連携した相談体制の充実や情報提供などを通じて、高齢者や家族の不安と負担の軽減を図ります。
2.ものづくりと世界に貢献する港づくり
次に「ものづくりと世界に貢献する港づくり」であります。
地域経済の活性化には、社会情勢や企業ニーズに応じた産業競争力の強化が不可欠であり、ものづくりのまち室蘭の潜在力と港湾の優位性を生かした取り組みが必要です。
まず、洋上風力発電については、室蘭港が製造及び組み立て・積み出しを担う総合拠点となることを目指し、引き続き、港湾用地の確保や港湾施設の有効活用に取り組むとともに、北海道や国と連携した洋上風力関連事業者の誘致に取り組み、地域産業の活性化やGX関連産業の発展を後押しします。
また、港による賑わい創出については、祝津絵鞆地区の整備などにより、客船寄港における受け入れ環境の向上を進めるほか、釣り文化振興モデル港として、市民が港に親しむ機会にもなるよう、試験的な防波堤の釣り場開放に取り組みます。
働き手確保では、市内企業における外国人材の活用や女性活躍に向けた支援などにより、多様な人材が働きやすい環境づくりに取り組みます。
さらに、漁業関係者と連携した新規就業者の確保・育成に取り組むほか、キャリア教育の推進やUIJターンによる移住促進など、多様な人材が集い、定着する環境づくりを進めることで、地域産業の持続的な発展につなげます。
PCB廃棄物処理事業では、今年度末の処理完了を踏まえ、今後の施設解体における地域の総合力を生かした地元活用と、安全・安心な事業推進を働きかけていきます。
さらに、後継事業の誘致に関しては、国と連携を図りながら、本市が目指すべき産業の姿や中長期的な取り組みの方向性を定め、地域の特色を生かした産業振興につなげます。
3.潤いある文化・観光・スポーツ振興
次に「潤いある文化・観光・スポーツ振興」であります。
市民一人ひとりが心豊かに日常生活を送るためには、世代を超えて文化やスポーツに親しむ機会を創出するとともに、活動の場となる環境を整えていくことが重要です。
多様な催しで活用されている市民会館は、長寿命化に向けた改修工事に着手するとともに、市民の文化・芸術に触れる機会の創出を通じて、文化振興の一層の充実を図ります。
スポーツ振興では、プロサッカーチームのキャンプ地に選定されるとともに、約20年ぶりに北海道障がい者スポーツ大会が本市と近隣市で開催されます。こうした動きを踏まえ、スポーツ利用の実績などの発信によるさらなる誘致や、市民がスポーツに親しむ機会の創出につなげます。
観光振興では、本年8月に「やきとりJAPANフェスティバル」が開催予定であり、歴史ある室蘭の食文化を全国に発信する好機と捉え、関係団体と連携しながら認知度向上と交流人口の拡大につなげます。
また、水族館については、現地改修に向けた検討を進める中で、これまでの歩みや市民の思いを大切にしながら、今後も親しまれる施設づくりに取り組みます。
地球岬では、老朽化したトイレ改修などによる環境整備を進めるとともに、新たなコンテンツづくりにも着手し、魅力ある観光地づくりに取り組みます。
4.将来を見据えた都市整備と行財政改革
次に「将来を見据えた都市整備と行財政改革」であります。
本市の新年度予算編成においては、病院事業会計における経営健全化基準超過の回避が最大の課題であり、医療提供体制維持の観点からも、一般会計からの緊急的な追加支援を決断したところであります。
また、今後、病院事業を閉じる際には、残された債務について一般会計に大きな将来負担が発生することから、公共施設や受益者負担の適正化を着実に進めるとともに、ふるさと納税の拡充に加え、新たに宿泊税導入の検討を進めるなど、持続可能な財政基盤の確立に向け、これまで以上に行財政改革に取り組んでいきます。
都市基盤の整備では、中島地区の大型商業施設周辺の道路拡幅や、中島公園の官民連携による整備を進めるほか、中島・中央地区における土地の有効活用を図るための支援制度を創設し、拠点エリアの賑わい再生に取り組みます。
また、水道・下水道をはじめとするインフラ施設については、老朽化による事故や被害を未然に防ぐ、危機管理投資の観点から、計画的かつ着実に対策を進めるほか、道路や公園等を対象に、官民連携による効率的な管理に向けた調査を実施し、持続可能なインフラマネジメント体制の構築を図ります。
蘭東支所については、国の補助制度の活用などを踏まえ、本庁舎に先行して新支所の基本計画を策定し、ワンストップ窓口の充実による市民サービスの向上につなげます。
4.むすび
以上、令和8年度における市政運営の基本方針と主な取り組みについて申し上げました。
地域医療に関わるこの度の決断は、室蘭市の将来を見据え、市民がこの先も安心して暮らし続けるために必要な判断であります。
今後は、持続可能な医療体制の構築に向けて、市内3総合病院をはじめとした関係機関と連携して取り組んでいくとともに、市民との対話を深めていく中で、取り組みに対するご理解とご協力をいただきたいと考えております。
また、病院事業に伴う財政負担は、今後の財政運営に大きな影響を及ぼすこととなりますが、このような時にこそ、市民が安心して住み続けたいと実感できるまちづくりに向けて、私が先頭に立って、難局に立ち向かっていきます。
本市には、ものづくりのまちとして挑戦を重ねてきた歴史の中で培われた、困難に向き合い、知恵と努力で道を切り拓く力があります。
そして、洋上風力発電の総合拠点化を目指す取り組みや、資源循環型産業の構築、さらには、地元企業によるりんご栽培への挑戦など、新たな産業創出に向けた動きに、市民からも期待する声を伺っており、希望に満ちた取り組みであると感じています。
こうした新たな取り組みが芽吹き、まち全体に希望の輪が広がっていくことが、将来の室蘭市を形作っていくものであると確信しています。
私は、市民の皆様とともに、挑戦する人や企業を応援し、室蘭が培ってきた力に新たな可能性を重ねながら、次の世代に誇れる室蘭の実現に向け、不退転の決意で市政運営に取り組んでいきます。
むすびに、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
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