生活保護法の基本原理と基本原則
その目的の遂行の為に、国の役割や国民が等しく理解し厳守しなければならないことなど基本原理と原則について、生活保護法第1条から第4条に4つの原理を、そして第7条から第10条に4つの原則が定められています。
生活保護法の基本原理
制度の基本的な考え方及び運用の基本となる原理は、国家責任、無差別平等、最低生活、保護の補足性の4つです。
4つの原理
- 国家責任の原理
- 法の目的を定めた最も根本的原理で、憲法第25条の生存権を実現する為、国がその責任を持って生活に困窮する国民の保護を行う
- 無差別平等の原理
- 全ての国民は、この法に定める要件を満たす限り、生活困窮に陥った理由や社会的身分等に関わらず無差別平等に保護を受給できる。また、現時点の経済的状態に着目して保護が実施される
- 最低生活の原理
- 法で保障する最低生活水準について、健康で文化的な最低限度の生活を維持できるものを保障する
- 保護の補足性の原理
- 保護を受ける側、つまり国民に要請される原理で、各自が持てる能力や資産、他法や他施策といったあらゆるものを活用し、最善の努力をしても最低生活が維持できない場合に初めて生活保護制度を活用できる
生活保護法の抜粋
(この法律の目的)
第一条.この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。
(無差別平等)
第二条.すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる。
(最低生活)
第三条.この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。
(保護の補足性)
第四条.保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
2.民法(明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。
3.前二項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない。
生活保護実施の原則
保護を実施する際に、守られるべき原則は、申請保護、基準及び程度、必要即応、世帯単位の4つです。
4つの原則
- 申請保護の原則
- 保護を受けるためには必ず申請手続きを要し、本人や扶養義務者、親族等による申請に基づいて保護が開始
- 基準及び程度の原則
- 保護は最低限度の生活基準を超えない枠で行われ、厚生労働大臣の定める保護基準により測定した要保護者の需要を基とし、その不足分を補う程度の保護が行われる
- 必要即応の原則
- 要保護者の年齢や性別、健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効且つ適切に行われる
- 世帯単位の原則
- 世帯を単位として保護の要否及び程度が定められる。また、特別な事情がある場合は世帯分離を行い個人を世帯の単位として定めることもできる
生活保護法の抜粋
(申請保護の原則)
第七条.保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。
(基準及び程度の原則)
第八条.保護は、厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。
2.前項の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであつて、且つ、これをこえないものでなければならない。
(必要即応の原則)
第九条.保護は、要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効且つ適切に行うものとする。
(世帯単位の原則)
第十条.保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。但し、これによりがたいときは、個人を単位として定めることができる。
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