呼吸器内科
肺炎、間質性肺炎(肺線維症)、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺癌、肺結核などの病気の診断・治療を担当しています。健康診断などで胸部レントゲン写真に異常を発見された方の精査も行っています。 検査や治療は可能な限り外来で進めてまいります。また、最新の超音波気管支内視鏡や局所麻酔下に行う胸腔鏡などを導入し、ハイレベルな診療を行えるよう、スタッフ一同、日々努力しております。
診療予定表
月曜日 | 柳 |
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火曜日 | 休診 |
水曜日 | 柳 |
木曜日 | 休診 |
金曜日 | 大学出張医 |
- 新患受付は完全予約制となりますのでご予約の上、受診してください
診療している主な疾患と検査・治療について
肺癌などの腫瘍性疾患
肺癌はステージにより治療が異なります。早期肺癌であれば手術が最も治癒の期待できる治療法ですが、発見されたときには進行している場合も多く、手術のほかに放射線治療や抗癌剤治療、これらを組み合わせた治療が選択されます。当院では早期肺癌であれば呼吸器外科と連携して、手術を行い、進行肺癌であれば、抗がん剤治療が選択されます。 また、放射線治療の適応があれば、放射線科と連携して放射線治療を行うことができます。肺癌の種類によっては分子標的薬を用いた治療、免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療を行うこともできます。
気管支喘息
気管支喘息は気道の炎症が主体的な病態です。また、様々な刺激によって気道が敏感になり、発作的に気道が狭くなることを繰り返します。小児期から喘息症状がある方や高齢になって発症する方がいます。原因はダニやハウスダストなどのアレルギーによることが多いですが、原因が特定できないこともあります。基本的には吸入ステロイド薬を適切に使用すれば症状が治まることが多いです。しかし、吸入ステロイド薬でコントロール不良な重度の喘息については生物学的製剤を用いた治療も可能です。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
COPDは従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。タバコ煙を主体とする有害物質を長期に吸入することで生じた炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。COPDは全身の炎症、骨格筋の機能障害、栄養障害、骨粗鬆症などの併存症を伴う全身性の疾患です。見つかった場合は直ちに禁煙が必要です。 当院に禁煙外来はありませんが、近隣の医院へ禁煙外来のご紹介をすることができます。治療としては長時間作用性β2刺激薬と吸入用ステロイドの治療が有効です。酸素の値が低い方には在宅酸素の導入も行っています。
間質性肺炎をはじめとするびまん性肺疾患
間質性肺炎は肺胞の壁に炎症や損傷が起こり、壁が厚く硬くなるために、酸素を取り込みにくくなる病気です。間質性肺炎の原因は様々ですが、原因不明のものを特発性間質性肺炎と総称します。間質性肺炎は原因が分からないことも多々ありますが、胸部CTや気管支鏡検査や血液検査を行い、診断をつけます。個々の患者さんの病態、ご年齢や全身状態などを考慮して治療方針を選択します。
肺結核
肺結核は結核菌という細菌が肺に感染しておこる病気です。肺以外にもリンパ節、腸、骨などにも感染することがあります。肺結核は人から人に移ります。当院には結核病棟があるので、排菌がある患者さんも安心して治療することができます。結核と診断されたら、抗結核薬の内服治療を行います。治療が中途半端になると薬剤耐性結核を誘発する恐れがあり、当院薬剤部や近隣薬局と協力して確実に内服治療をすすめていきます。
非結核性抗酸菌症
結核菌以外の抗酸菌が肺に感染しておこる病気です。非結核性抗酸菌症は土や水などの環境中にいる菌で、結核菌と異なり、人から人に感染することはありません。女性にやや多く、年間8,000人が発症するといわれています。肺結核が年々減少しているのに対して、非結核性抗酸菌症は増加しています。しぶとい菌なので、少なくとも1年半(菌が培養されなくなってから1年間)は内服治療を続ける必要があります。
当科の特色
最新トピックス
- 免疫チェックポイント阻害剤
- 人間の体に備わっている免疫機能には、癌細胞を異物と認識して排除する働きがあります。しかし、癌細胞はその免疫にブレーキをかけ、排除されないようにすることがあります。 免疫チェックポイント阻害剤は、癌細胞が免疫にブレーキをかける場所(免疫チェックポイント)で、ブレーキをかけられないように阻害します。切除不能な進行・再発の肺がんの治療として使用します。 現在、免疫チェックポイント阻害剤の使用できるのは、治療効果が証明されており、条件が合った場合に限られています。 また、免疫チェックポイント阻害剤の治療では、間質性肺炎、甲状腺異常、劇症I型糖尿病、自己免疫性大腸炎、重症筋無力症などの重篤な副作用が一部の患者さんでみられることが知られており、死亡例の報告もあります。 そのため、免疫チェックポイント阻害剤による治療は、定められた施設要件、医師要件を満たす専門医療機関で、適切な方法で受けることが必須となります。当院でももちろん使用することができます。
治療内容
喘息の吸入ステロイド療法や慢性呼吸不全の在宅酸素療法などの治療法。肺の腫瘍性疾患については化学療法、手術療法、放射線治療と集学的治療。呼吸器リハビリ療法や訪問看護の利用も可能。
連携医療機関の皆様へ
平素よりお世話になっております。地域の先生の大切なかかりつけ患者さんを当院へご紹介いただき誠にありがとうございます。病診連携の充実を念頭に診療を進めてまいりますので今後ともよろしくお願い申し上げます。
医師紹介
役職・職種 | 科長 |
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名前 |
柳 昌弘(やなぎ まさひろ) |
経歴 | 札幌医科大学(2013年卒) |
資格 | 認定内科医(日本内科学会)、呼吸器専門医(日本呼吸器学会) |
患者さんに一言 | 室蘭の医療に貢献できるよう頑張ります。よろしくお願いいたします。 |