Cafe Pito

Cafe Pito経営/　檜山祥太さん、翠さん
岡山県からUターン
室蘭市中央町に2021年オープン

私は大学院を修了後、会社員(塾講師)をしながら研究プロジェクトのメンバーとして研究活動をしており、妻は大学卒業後から会社員をしていましたが、働き方やライフスタイルを変えたいと思い始めたタイミングで、妻の夢でもあった「いつか自分のお店を持ちたい」という思いを形にしようと思い、地元室蘭市への移住・開業を決意しました。

管理栄養士の妻は健康で美味しい食事を、私はこれまでの研究生活や塾での指導経験で培ってきた学びに関する知識や経験を活かして、子どもも大人も通える学びの場を提供したいと考え、「食と教育」で地域交流できるお店として「Cafe Pito」を2021年にオープンしました。
スープを中心としたメニューには妻のこだわりが詰まっています。

開業場所は、室蘭市内の中でも人通りや飲食店が最も多い地域ではなく、あえて古き良き時代の雰囲気を感じられる落ち着いた地域を選びました。

日中はカフェ、夕方は学習塾に姿を変えるというお店は、全国的には少なくないですが、室蘭市ではめずらしいスタイルでした。

カフェ自体はもともと妻の夢でもありましたが、私としてもこれまで学んできた知識や考え方を活かし、教育を通して地域コミュニティの交流の場を作りたい、色々な人の話を聞くことで地域課題を知り、何か貢献できればという思いがあり塾の開業を決めました。
いざはじめてみると、子どもはもちろん、大人でも学びの時間を持ちたい人がいることが分かりました。

塾では、こちらから何かを教え込むのではなく、生徒自身が何を学ぶべきかを自分で考えられるようなサポートをしています。自習ベースで勉強を進めていき、分からない問題がでてきたら質問する方や、何を学ぶか、どんな教材を使うかを一緒に探すことから始める方、テスト勉強をしにくる方もいて、利用方法は様々です。
学びに年齢や性別は関係ありません。塾カフェは、集中して学ぶことが出来る環境でもあり、勉強する人のコミュニティの場。色々な世代に人に利用してもらいたいですね。

スープは、旬の食材の栄養を丸ごと無駄なく体に取り込むことができますし、年齢問わず食べやすい。
素材の旨みを生かせば味付けも控えめで健康的で、なにより温かさにホッと心が和みますので、「スープcafe」に決めました。

定番スープのほか、週替わりの小鉢とデザート、季節限定のスープや、月1回『世界のスープＤＡＹ』では普段なかなか食べることが出来ない異国のスープもご提供しています。
妻は福島県出身で、北海道にはあまり馴染みがありませんでしたが、早く地域になじめるようにイベント等には積極的に参加して交流を深めています。
幅広い年代の方に気軽にスープを楽しんでもらえれば嬉しいです。

室蘭市の、特にお店を構えた中央地区は、昔からの景観を維持している良き古めかしさがあります。老朽化が課題となっている建物も当然ありますが、地域全体でみると、とても風情がありますし、この良さをもっとまちづくりに活かしていくべきとも感じます。

まちづくりに関するイベントや会議などに参加させてもらう機会もありますので、これまで複数の町で暮らし、色々な人やモノをみてきた経験が少しでも役に立てば嬉しく思います。
何事も行動することは大切ですが、行動前に頭を使ってしっかり考えることもとても重要だと日々感じています。創業を通して色々な方と会話を重ね、小さな工夫を積み重ねながら楽しく暮らしやすいまちづくりに貢献できればと思います。

お店を開業して1年が経ちましたが、応援や協力してくれる人が沢山いました。モノの豊かさは都会の方が当然良いですが、このまちは程よく便利で程よく田舎で過ごしやすいです。改修費や家賃補助も活用できましたし、安心して移住してお店を開くことができると思います！

（注釈）移住前から空き店舗を探し始め、移住して開業までの間に補助申請の手続きを行いました。

2021年6月創業