社長にインタビュー
私達の生活には、鉄鋼製品なくして成り立たないほど、鉄は身近なものです。
とくに特殊鋼は、日本の製造産業の根本を支える重要な素材。これからも発展し続ける産業であることを考えると、働く人も変化が求められます。
幌清では、現場でも積極的に女性を採用しています。
採用している菊地社長にお話を伺いました。


ダイバーシティの推進は、これから当たり前に
――製造業、とりわけ鉄鋼業はどうしても男性職場というイメージが強いという声もあります。社長は現場で女性を採用することにどうお考えですか?
製造業、とりわけ鉄鋼業は、屈強な男性が大汗かきながら力仕事をしているイメージがありませんか?
昔はそうだったかもしれませんが、今でも「そういうものだ」と考えてしまうと、世の中から孤立してガラパゴス化していく懸念があります。女性採用は、「きっかけは人手不足」ではありましたが、改めて業務を見渡すと、女性が活躍できる場所が多数あることに気づきます。
これからは、職場におけるダイバーシティの推進や、従来にない発想で様々な事業に取り組まなければ持続可能なものにはならない。女性採用も当然の流れだと感じています。
――初めて女性を採用するとなると、多くの企業も受け入れるための準備が必要だったという話が必ずでます。御社はいかがでしたか?
インフラ整備はもちろんですが、受け入れる社員の意識改革を進めている必要があると思いました。残念ながらまだまだ道半ばで、十分ではないと思ってます。
引き続き、女性採用の専門チームを設けて、女性社員の意識を吸い上げ、諸々制度化立案を推進していきたいです。
――女性社員の声を聞いて制度を変えるという取組は、女性社員にとっても心強いですね。幌清では現在3名の現場女子が活躍していると伺いました。これからも女性採用は続きますか?
性別関係なく働ける職場ですので、会社としても積極的に女性の採用は続けていきたいですね。女性社員同士で相談し合える環境をもっとつくっていきたいです。
ただ、このご時世ですから、黙っていても採用には繋がりませんので、女性専用の紹介サイトや記事を整理して積極的にPRしていきたいですし、市で行っているこの「現場女子」のPRも一緒に取り組んでいきたいです。
女性の採用も活躍も、今後の人材育成がカギ
――製造業界は人材確保が難しい業界のひとつだと思います。最後に、社長の人材確保に向けた今後の展望を教えてください。
昨今、様々な業界で女性の就業機会は増えていますが、まだまだ男女の賃金格差は課題と聞きます。
当社では賃金差はありませんが、実質平均を取ると差が生じていて、その要因は、女性役職者がいないことです。
今後、女性初の現場管理者、さらには経営人材にもチャレンジできるような人材を育成していく必要があると思いますし、今後の人材確保のカギにもなると思います。
人材不足対策や育成は、長期的な取組ですが、今在籍している社員の声をしっかりと聞いて必要に応じて制度の見直しを行うなど短期的な視点も忘れず、誰にとっても魅力ある企業に育てていきたいと思います。
