社長にインタビュー
近年、建設業界での女性就業者は増えてきていると言われていますが、全産業と比較するとまだまだ少ない状況にあります。
そのような中で、現場担当として女性を採用している上口建設株式会社の上口代表取締役に、その経緯と思いについてお話を伺いました。
建設業にチャレンジしたい女性を後押しできる会社に
――上口建設では何名の現場女子がいらっしゃいますか。また主にどんな業務を担当されているのでしょうか。
現在、会社全体で女性社員は5名、そのうち2名が現場の技術者として働いており、木造の住宅や公共工事など様々な業務に携わっています。
建設業の仕事は、設計や施工管理のほか、いわゆる現場仕事と呼ばれる数多くの職種があります。設計や施工管理での女性採用はよく聞きますが、現場での女性採用はまだまだ少ないのが現状です。
建設業の労働環境はまだまだ改善すべきことも多いと思いますし、現場仕事を希望する女性は決して多くないですが、一方で「興味がある」「チャレンジしてみたい」という女性も一定数いると思っています。
チャレンジしたい女性の後押しになれる会社でありたい、そのためにはやはり良い事例を一人でも多く増やしていければと思っています。
――建設業の現場は、重労働でなかなかハードなイメージです。実際はどうでしょうか。
力仕事中心の男性職場と思われがちな建設業ですが、女性にできる仕事も多くあります。一般的なイメージとして、重たいものを担ぐ、運ぶという映像が頭に浮かぶと思いますが、もちろんそういう仕事も誰かがやらなければいけない仕事として当然ありつつ、材料や機械の軽量化が進む中で、負担は軽減されています。
さらに、当社では作業工程によって配置メンバーを換えているので、力仕事を年配者や女性が必ずやらなければいけないという環境にはしないように心がけています。
今後も現場の機械化が進んでいけば昔のような過酷な力仕事はより少なくなっていくと感じますね。建設業全体が女性を採用しやすくなることを期待しています。
女性が働きやすい職場づくり
――女性を現場で採用するようになって社内の変化はありましたか。
男性職場しか経験したことがない社員も多かったため、初めはどのように接していいのだろうかと戸惑う声も若干ありましたが、今では経験のあるベテラン社員がフォローしようと頑張ってくれています。現場全体が活気に溢れ、活性化していくと嬉しいですね。
子育て中の女性社員もいますので、子供の都合でどうしても出勤が遅くなる場合もありますが、その場合は、会社から現場に交渉して、出勤時間を調整してもらうなど、臨機応変に対応しています。
子育てをしながらでも働き続けられる会社であるためには、どういう体制を整えるべきか、今後も考え続けることが大事だと感じています。
――最後にこれから就活する方や建設業に興味のある方にメッセージをお願いします。
建設業は力仕事の男性職場というイメージが強いですが、徐々に女性採用も増え始めています。業界全体が性別関係なく働きやすい環境になっていけば良いなと思いますし、当社としても、現場仕事が初めてであってもチャレンジ精神のある方は積極的に採用していきたいと思っています。
「ものづくり」に興味のある方、「住まいに関わる仕事」に興味のある方も是非お待ちしています。