現場女子にインタビュー
日鉄ファーストテック株式会社
現場女子:藤田 紗希
多様な働き方の推進、女性の職業選択を拡げるということを目的に実施している、「現場女子魅力発信事業(GJ事業)」ですが、初回に取材したのは今から4年前の平成30年。
当初取材に応じてくださった日鉄ファーストテックの藤田紗希さんに、改めてお話を伺いました。

日鉄ファーストテック株式会社は、日本製鉄(株)北日本製鉄所室蘭地区において圧延される鋼材の品質検査及び精整や二次加工などの最終工程を担当する会社で、藤田さんは主に線材製品の物流業務を担当をしています。
現在、日鉄ファーストテックの女性社員は50名、そのうち現場女子(GJ)は全社で19名で、藤田さんはその中でも現場経験の年数が長い社員になりました。前回の取材時、藤田さんは上司からの指導を受けながら日々業務にあたっていましたが、4年という月日を経て、今は指導する側の立場で業務にあたっています。

――ここ数年で仕事内容や環境に変化はありましたか?
仕事内容はクレーン等の運転を引き続き行っています。前回の取材を受けた頃は、「もう一つ上の資格をとりたい」「自分のスキルを上げたい」という思いで日々奮闘していましたが、年数を重ねていく中で新しい社員も増えてきて、自分の技術はもちろんですが、職場全体のスキルアップを考えるようになったと思います。



――前回の取材を思い返しても、藤田さんを指導した上司は、今の藤田さんよりも年齢が上だったと思います。20代で指導する側に立つとなると苦労もありますか。
どの会社もそうだと思いますが、当社も、経験者が経験の浅い社員を指導するのは当然ですし、そこに年齢や性別などは関係ありません。現場で働く女性が増えていく中で、指導する側に立つ女性も増えていくべきだと思いますし、そのためには自分の技術をより一層向上させることが必要だと感じています。
20代という年齢より、「指導する」ということそのものが本当に難しい。今となっては、私に根気よく丁寧に技術指導をしてくれた上司はすごいなと。本当に感謝です。

――具体的にどういう点に難しさや困難を感じますか。
自分は作業の全てを理解した上で説明しますが、当然未経験者にはうまく伝わらないこともあります。 理解してくれているのかな?と判断するのも、性別や性格でリアクションが違うので難しさを感じることもありますね。ここは唯一性別の違いを感じるところではありますが、コミュニケーションを通して信頼関係を築きながら、よりわかりやすく伝え合えるよう努力していきたいと思っています。

――改めて、ものづくり・現場の魅力は?
現実的な話をすると、正社員で現場で性別関係なく働けるということは、お給料面でも安定しますのでまずは大きな魅力だと思います。
プライベートの時間も大事にしたい!
友人とも旅行にいきたいし美味しいものも食べにいきたい!
私にとって幸せな時間を確保するために必要な、「働く時は一生懸命働く」「遊ぶ時は全力で楽しむ」ということが叶えやすい仕事だと感じています。
最初はなかなか苦労した三交替勤務も、今はすっかり慣れて元気に友達とも遊んでます 笑


また、女性特有の人間関係の難しさというか、そういうものがほぼないのが個人的にはとても合っていると感じています。特に当社は困ったことがあればフォローしてくれる先輩・上司が多いことも魅力です。

「女性は製造業で働くのは難しい」「重たいものは持てない」「若い時代しか働けない」などの固定概念がどうしても残っている気がします。この事業を通して、現場女子の声を参考にしてもらうことで、女性の職業選択の幅が拡がればと思います。