文字サイズ 拡大縮小元に戻す 配色 背景色: 元の色背景色: 青背景色: 黒 EnglishChineseKorean

ホーム > 行政 > 行財政改革 > 第52回室蘭市行政改革推進委員会会議録(要旨)

第52回室蘭市行政改革推進委員会会議録(要旨)


日時
平成23年2月14日(月曜日)10時
場所
室蘭市防災センター
出席委員
永松会長、島委員、藤当委員、須藤委員、岡嶋委員、小松委員、珍田委員
欠席委員
野口副会長、田辺委員、竹本委員
事務局
三谷総務部長、土倉企画財政部長、木村企画財政部財政課長、梶浦総務部職員課長、高橋同主幹、佐々木同職員係主事
議題

(1)平成23年度室蘭市「予算の概要」について

議事

●報告事項:(1)平成23年度室蘭市「予算の概要」について
説明 木村財政課長

○永松会長
今、説明のあった件について、何か意見・質問はないか。

○A委員
来年度の当初予算は、いわゆる骨格予算としての編成内容とのことであるが、新市長のための政策財源は先ほど説明のあった3億8,700万円の留保財源という認識でよろしいか。それとも、そこから多少の増減があるものなのか。

○木村財政課長
3億8,700万円というのは一般財源の中での話である。実際にはこの他に起債や国からの支出金等を活用することができる。現市長が当選した平成7年度の例で申し上げると、約3億円の留保財源に対し、新規事業のための政策予算として約15億円を6月議会で補正した。概ね留保財源の5倍くらいの額を政策予算に充てられるのではないかと考える。

○A委員
人件費予算についての説明があったが、何度か申し上げているように、いろいろと努力された結果、人件費が圧縮されているというのは理解できるのだが、その分臨時職員や嘱託職員のような非正規職員の負担が増えているのではないか。昨年だったと思うが、全体に占める非正規職員数の割合が正職員数のそれとあまり変わらないような状況になってきているという話を聞いた。実情はよくわからないが、そういった流れが官製ワーキングプアを生み出し、その結果彼らを中心とした新たな労働組合の結成にいたっているのではないか。
新聞報道によると、釧路市ではそういった非正規職員の最低賃金を200万円まで引き上げたらしい。室蘭市においても、そういった縁の下の力持ちとなっている彼らの待遇の改善等について検討されているのかどうか伺いたい。

○三谷総務部長
人件費の削減についてはこれまでの行革の中でも大きなテーマとなっており、先ほど財政課長からも説明があったように実際に相当な削減実績をあげている。
一般に、正職員は一度採用すると定年退職となるまで間、長期間にわたって給料や退職手当を含む諸手当の財政的負担が生じる。現在は、行革を進める中で、二人でやっていたことを工夫して一人でできるかどうかなど、従前の仕事のやり方を見直し、また指定管理者制度や外部委託の導入など、行政としてどこまで手がけるのが適切なのかなども見極めながら、職員数を縮減してきた経緯があり、それらに逆行して安易に正職員数を増やすことは難しい。
一方で、嘱託職員については、特定の業務に従事するための任用である。時間単価で比較すれば道内最低賃金よりもそれなりに高い水準となっているが、フルタイム勤務の職員と異なり、短時間勤務のため年収ベースで考えると低い金額になってしまう。単純に年収ベースで200万円を超えていないことが問題かどうかという話を議論するのは難しい。
なお、財源的な問題で一人当たりの収入を増やそうとすると、必然的に雇用できる人数が減ることになり、それはそれで新たな問題が発生する可能性があるため、そのあたりのバランスについては引き続き検討の必要性を感じている。
いずれにしても、職員の一人当たりの負担が過剰にならないよう、正職員の採用については、職員全体の年齢や特定の職種の層が薄いような部分には近年、キャリア採用を実施して即戦力として職務に従事させることで補っている現状もある。

○A委員
ぜひ、そういった方々の負担をこれ以上増やすことなく、これからも気持ちよく働いていられる環境の整備をお願いしたい。

○永松会長
他に意見はあるか。

○B委員
二点ほどお聞きしたい。一点目、平成23年度の室蘭市一般会計予算について、いただいた資料の中では、基本的な予算策定の考え方が見えてこないので具体的に示して欲しい。また、今回計上された予算は、過去に策定した中長期の展望と比較してどのような状況にあるのか確認したい。なお、資料中における特記事項、目玉企画はわかりやすいものだった。二点目の各税の滞納により未回収となっている分が1億円程度あると理解した。滞納繰越分については資料によると、今年度よりも若干予算が減少しているが、未回収となっている分について最近の回収実績はどうなっているのか。予算上はどのように反映されているのか。以上二点について説明いただきたい。

○土倉企画財政部長
予算編成の基本的な考え方については、昨年11月に平成23年度予算編成方針を示したところである。来年度の予算については財政課長の説明にもあったように、基本的に市長の改選期にあたるので、骨格予算となっており、新たな政策的予算は新しい市長が決まってから計上するという考え方に基づいている。当初予算に計上しているのは、市民生活や地域経済の状況に配慮した事業が中心で4月から予算がないと市民生活に支障をきたすものが多い。
また、雇用対策や経済対策など、地域経済に対しても切れ目の無い対策を打つ必要がある。その他、今年の特徴的な当初予算として、災害対策にかかる部分がある。これまでもそれなりに予算措置していたが、昨年8月には想定外の大雨で被災してしまったことに起因している。予算を補正する6月以降になってしまうと大雨の時期が重なってしまうため、早めに対策を取る必要があると判断した。
そのほか、学校や病院のような継続的な事業、また同じ建設事業の中でも複数年度にまたがるようなものは新市長の判断を仰がなくてもいいという考え方で当初予算に計上している。以上が予算編成の基本的な考え方である。
これらを執行するためにはそれに見合った財源確保が必要となるので、不良債務の解消に力を注いでいる。資料にもあるように平成7年度から比べるとだいぶ解消された。それでもまだ120億円から130億円の債務があり、引き続き様々な施策をスクラップアンドビルドする、すなわち止めるものは止める、必要なものは新たに手がけるといったメリハリが必要である。
最後に話のあった歳入の収納対策についてであるが、市税以外にも国民健康保険料や学校給食費、保育料等の滞納が問題となってきている。これらの滞納者の中には払えるのに払わない人がいるのでその対応を強化していく。給食費の未納については全国的な問題となっており、子ども手当からの天引きも検討されている。
実績を具体的な数字は今持ち合わせていないが、悪質な滞納者には法的対応を強化している一方で、経済情勢等の影響で払いたいがまとめて払えないというような人に対しては、分割納付などの対応をとっている。これからもこういったきめ細かな対応により収納対策を強化してまいりたい。

○木村財政課長
手元には市税の資料しか持ち合わせていないが、税については今年度の見込みで現年度分は徴収率98.6パーセント、滞納繰越分のそれは極端に落ちるが13.5パーセントとなる見込みである。これは、年度中に徴収できずに一度年度を越えてしまうと収納が相当困難になるということを意味する。
したがって、できるだけ滞納させないということに力を入れる必要があり、そのために口座振替を推奨したり、日中働いているので納めに行く時間がない、といった人のためにコンビニでの納付を可能にしたりというような納付しやすい環境作りに務めている。
一方、国民健康保険料は今年度の収納率が90パーセントを切る見込みで、これからは収納の専門家である納税課と連携して収納推進を図りたい。

○B委員
大変よく理解できた。

○永松会長
他に質問はあるか。

○A委員
最近のニュース等を見て心配なことがいくつかある。
まず、子ども手当についてであるが、政府の予算関連法案が通らないと、児童手当の制度が復活することになり、市民の生活が混乱する可能性があると聞いている。そのあたりは大丈夫なのかというのが一つである。
二つ目、子宮頸がんワクチンの予防接種が実施されるとのことであった。アメリカでは予防接種を行なわなければ高校に入学できない場合もあるというくらい強制的であるのに対し、インドでは副作用の問題から実施を見送っている。本市として実施する際には、いろいろと情報収集に努めながら、適切に対応していただきたい。
最後に石川町のごみ処理施設の運営についてである。ここでは毎年2億円の不良債務が発生しており、親会社そのものが立ち行かなくなるという可能性があると聞いている。どう解消するつもりなのか。子ども手当や子宮頸がんワクチンの件については、根本的な部分では、国の方針によると思われるが、ごみ処理施設については、市で新たに巨大な不良債務が抱えることになるような気がして心配である。そのあたりに市としてどう考えているのか伺いたい。

○木村財政課長
子ども手当に関する法案が成立しなければ、大変な混乱を招くことになるのは間違い無い。その際、最も迷惑を被るのは市民であることからなんとしても避けたい事態である。また、子宮頸がんワクチンの件についても十分に注意が必要であると考えている。

○土倉企画財政部長
今の回答を少し補足させていただく。
子ども手当については、今回法案が成立すれば3歳未満の子どもについては支給額が13,000円から20,000円に増額し、室蘭市では2億円の増加となり、予算総額では16億7,000万円という非常に大きな金額となる。子ども手当の制度は今年度から始まったが、その前は児童手当の制度であった。室蘭市としては全国的の市町村同様、児童手当分として、1億6千万円から1億7千万円を負担する形になる。他の自治体では、子ども手当は国の政策なので自治体としては負担しないというようなところもいくつか出てきているが、実際には国が負担しないなら、その分市民に支払わないということにはならないだろう。いずれにしても、先ほど話に出たように、法案が成立しないことには市町村の事務に多大な影響が出ることは間違いない。
子宮頸がんワクチンについては、確かに新聞報道等で副作用の問題が取りざたされているが、日本の場合は強制ではなく、希望者を対象としている。国としては1人でも多くのかたにワクチン接種をしていただきたいというスタンスであり、地方自治体もそれに倣っている。問題になっている副作用がどの程度のものかということについては、医学的な問題になってくるので各自治体でその是非について判断するのは困難というのが実態である。国全体として将来において子宮頸がんの予防に効果があると判断している以上、室蘭市においてもその考え方に追随し、今後PR等を実施していく形になる。
三点目の西いぶり広域連合におけるごみ処理についてであるが、新聞報道にあったように以前からそのような懸案があったことは事実である。現在、対象施設におけるごみ処理は入札によって決定したメーカーの提案に基づいて行なっているが、その提案の前提にあったごみ量に比べて実際の処理量が減少しているという経営上の問題と、提案時に比べて保守管理費用が増加しているという問題がある。赤字が増えたから広域連合を構成する5市町で税を投入することが適切かどうかという議論の他に、提案時よりも費用が多くかかっているのはどういうことかということも議論する必要がある。ただ、市民生活に影響を与えるゴミ処理を止めることはできないので、並行して協議を続けているところである。

○永松会長
その他に何か意見はあるか。

○C委員
定住自立圏構想の推進ということで7,912万円の予算が計上されている。全てが重要な取り組みだとは思うが、その中でも市として特に力を注がれている部分があれば、もう少し具体的な説明をお聞きしたい。

○土倉企画財政部長
明日の市議会の臨時会で定住自立圏連携事業分として、今年度新たに4,000万円の補正予算が計上される予定である。合わせて1億2,000万円程度の事業費になる。いろいろな事業を予定しているが、例えば今回の補正予算で項目別に申し上げると、ペレットストーブの導入や生活情報メール配信システム、図書館情報システム広域化等である。
ペレットストーブとは、伊達市の大滝区にある木材を原料とした非常に燃料効率の良いペレットという燃料を使ったストーブのことで、植物由来の燃料を使っているため有害物質もほとんど発生せず、一旦は二酸化炭素を排出するが、それはもともと光合成により吸収したものを排出しているだけというカーボンニュートラルの考え方により、二酸化炭素を増加させていないということになる。近年は、市としても二酸化炭素の発生を制限する方策を採っており、現在このタイプのストーブは市役所に一つ設置されているだけであるが、今後、市の会館や研修施設、休憩所等にも順次導入したいと考えている。
次に生活情報メール配信システムの広域化について説明させていただく。既に、近年市内で増加傾向にある不審者の目撃情報を教育委員会から情報提供を希望される保護者宛てにパソコンや携帯電話経由で伝達するというような形で稼動しているところであるが、この他にも振り込め詐欺の被害情報や、観光イベント情報など生活に密着した情報を幅広く提供しようとするものである。
最後に図書館情報システムの広域化についてであるが、既に室蘭市と伊達市では運用されているシステムであり、これを登別市まで対象を広げようとするものである。
今年度は以上の内容について補正予算を計上して対応する予定でいる。
その他、来年度予算について、医療部門では、近隣地域における大病院と診療所を結ぶネットワークの構築、防災部門では、大雨や有珠山の噴火等の自然災害対応を見据えた防災無線のデジタル化対応や圏域市町での連携強化、観光部門においては、地域一丸となっての中国へのプロモーション活動、環境部門においては、7月のアナログ放送終了を間近に控えテレビ等の不法投棄が増加することを警戒し、6市町全体でポスターによる環境普及啓発やパトロールの強化、教育・ICT・人材育成の部門においては、室蘭工業大学のような教育機関と連携しながら住民を対象とした様々な講習会や自治体職員を対象とした研修を実施するなどして、地域を活性化しようとする動きがある。

○A委員
定住自立圏構想の推進にかかる事業費として資料に上がっている数字はあくまでも室蘭市で負担する額と思われるが、西いぶり全体の総事業費は予算としてどれだけ計上されているのか。

○土倉企画財政部長
本市の予算説明のための資料を中心に用意して来ており、今の質問に対する答えを今日この場には持ち合わせていないので、後日改めて回答したい。

○A委員
正確な数字が無ければ概算でもかまわない。例えば室蘭市の予算の概ね何倍であるとか。

○土倉企画財政部長
自治体によって定住自立圏事業費への予算計上の考え方が異なるため、その規模についても大きく差がある。

○木村財政課長
例えば、そもそも伊達市や洞爺湖町などは室蘭市よりも観光施設を多く抱えており、それらに関して新たな事業を手がけようとすると全て対象事業となるため、特定の部門での計上による差が大きくなる。

○A委員
ある特定の事業について全市町が費用を出しあって実施するということではなく、それぞれの自治体が共通のある大きなテーマに向かって事業を行なうということであって、例えば西いぶり広域連合のように各自治体で負担金を出しあって成立するようなものではないということか。

○木村財政課長
どちらの事業も可能性はあるが、基本的には後者の考え方となる。

○A委員
次回以降の会議において、具体的に各自治体がどの程度の予算規模でどういった事業を予定しているのかがわかるような資料があれば拝見したい。

○土倉企画財政部長
手元に用意は無いが、取りまとめた資料を作成してあるので、後日提示したい。

○永松会長
他に質問が無ければ、私のほうから何点か伺いたい。
今回提示いただいた各種資料の中でも家計簿に見立てた予算資料は、市民目線で見ても大変わかりやすい。ただ、項目別に見た時に、歳入にある国や道からの補助金を「親からの援助」に例えるのは、市の独立性を考えるとそぐわないのではないか。「国や道からの支援」といった、そのままの表現でいいと感じた。また、交付税は国からの支援ではなく、地方の共通の資金が分けられたものという扱いであるから国税ではない。地方の財源を総務省がどの自治体にどれだけ配分するかということを調整・決定しているため、交付税はあたかも地方が国から受け取っている補助金の一種のように見えてしまいがちであるが、あくまでももともと地方の財源として存在し、そのために特別会計も設けられ、基準に沿って配分されているだけのことであり、市民への誤解を与えるような表現は避けることが望ましいのではないか。
実際に、全国の知事会や市長会からは、国主導で交付税の調整を行なうのではなく、地方にその役割を委ねるよう要望もあげている。
また、これまでの説明において、骨格予算という表現が使われてきたが、他の多くの自治体で一般的に使われている骨格予算の意味合いと室蘭市のそれは異なる内容となっているのではないか。通常、骨格予算と言えば、義務的経費、すなわち法律や条令に基づき支出しなければならないものや、準義務的経費、例えば学校運営のように既に4月に動き出している事業にかかる経費についてのみ計上されるものであって、単独事業や新規事業にかかる経費は一切計上されないものである。ところが、室蘭市の場合は、新規事業に関する計上が数多く見られる。ある種、伝統のようなものがあるのかもしれない。
ちなみに私の出身地の熊本県では、今の知事が就任したときにそれまで国と自治体で20年くらい取り組んできて、合わせて1,000億円近くつぎ込んできたダム事業を途中で止めると決断した例もあった。
実際に骨格予算を作る際には、まず全ての事業について査定を行なう。ただ、単独事業のように政策的な色合いが強いものについては、前年度からの継続事業であってもその経費を計上しない。その分を6月の補正予算で対応する。実際に新しい首長も一年目は詳細な部分にまで指示を出さない。継続事業であればそれを中止するにも明確な理由が必要となるので実態上は当初予算と分けても、ほとんど6月補正で対応することになる。ただ、それだと継続事業には新しい首長の考えが入らないことになる。
室蘭市のように、「新規事業のための4億円程度の財源については市長の裁量の範囲であるが、それ以外の部分については規定路線となっている」というのは少し疑問に感じる。市長選があることがわかっていながら、ここまで新規事業が当初予算で計上されるのは通常では考えられない。

○土倉企画財政部長
大きな事業としてダム事業を例にあげられたが、もちろん室蘭には無い事業である。先ほど木村財政課長から説明させていただいたように、一般会計では15億から16億円程度の新規事業を想定している、4億円弱の金額はあくまでも一般財源として措置できる分である。

○永松会長
新規事業がいくつもあり、このうち法律や条例に基づいて行なわれる事業の予算計上は止むを得ないと考えるが、そうではない単独事業を当初予算に計上していることに違和感を覚える。

○土倉企画財政部長
いずれの事業も市民生活に直結する内容ばかりなので計上は当然のことと考えている。

○永松会長
市民生活に直結するからといって、例えば、88歳の市民にお祝い金を出すような事業であれば2ヶ月遅れの補正予算で対応すればよい。そのような内容であれば実施の判断は、新しい市長が行なうべきである。ただ、市長が変わったからといって急に全ての事業について方向転換するわけにはいかないだろうから、結果的には新しい市長も同じように判断することになるとは思うが。

○土倉企画財政部長
資料中における新規という表現は確かに多いと感じるかもしれないが、いずれも4月から予算化しておかないと事業の実施に支障をきたすものばかりである。

○永松会長
例えば、庁舎の建設など、どれだけ計画が進んでいたとしても新しい市長がダメだと言えば事業は廃止になるはずである。よって、投資的経費などは既存事業であっても当初予算では計上しないのが通常である。

○土倉企画財政部長
それは、学校建設のように2年、3年と継続的に事業を進めていたとしても同様に考えるべきということか。

○永松会長
もし、新しい市長が見直すべきと判断した場合には、そうなるのでは。

○土倉企画財政部長
それまで複数年かけて行なってきた事業であっても、選挙がある年度は年度当初から補正予算が成立するまでの間、事業を止めるということか。そういう例は過去に本市ではなかった。

○永松会長
では、新しい市長が義務的経費とみなして当初予算で計上した事業について、縮小したり、廃止したりしないと誰が判断できるのか。法律や条例等で義務付けられているものを除けば、そんなことは誰にもできないはずである。
また、市としての主な事業は単独事業であり、それらはあくまでも室蘭市独自の施策としての事業である。したがって、大半の事業で新しい市長に伺いを立てて了解を得るという手順が必要になる。通常は、総予算の10パーセントから15パーセントくらいが純粋な政策的経費になることが多いので、その部分については当初予算で計上しないものである。そういった意味で室蘭市の運用は珍しいと感じた。例えば、実際に着手してしまった事業に反するマニフェストを掲げた候補者が市長になった場合、更なる予算の補正が必要となるので、そういった可能性は事前に排除すべき、また予算計上後、直ちに着手できるよう、綿密な予算査定まで済ませるに留めておくべきで、最終的な決定は新しい市長の判断を待つべきであると考える。
もう一点、正職員と非常勤職員の問題はかなり恒常的なので直ちに解決するのは困難であると考えるが、通常、非常勤職員が全体数に占める割合は1割程度、多くても2割が限度である。嘱託職員は勤務時間も短く、1日6時間、週30時間程度の勤務である。

○梶浦職員課長
本市の場合、正職員の週の勤務時間38時間45分であり、その4分の3以内に留めるため、嘱託職員のそれは29時間が多い。

○永松会長
室蘭市では嘱託職員に対して、ボーナスは支給されているか。

○梶浦職員課長
本市では支給対象となっていない。

○永松会長
一般的に嘱託職員は非常勤職員である。常勤ではないということは、ある特定の業務に従事するために常勤の職員を充てる必要がないという判断でなされたということ。もともとは計算事務や書類整理などの単純な業務に専従させるために職を置いたはずである。しかしながら最近は、本学でも同様であるが、他の正職員が行なう仕事と同程度の業務に従事するようになってきている。それにも関わらず、手取りが10万円程度にしかならない状態である。また、基本的には1年契約なので、立場も不安定である。人件費が安く済むのは間違いないし、その部分の増加に対する市民の目が厳しいのも理解できるが、人というのは組織の要なので、あまり軽んじるべきではない。
また、非常勤職員には大きな責任を持たせることができないので、以前にもお話したが、ある業務について正職員よりも非常勤職員のほうが専門知識を備えているような状態で、正職員がその誤りに気付くこともできないという状況は問題である。簡単に解決する問題ではないが、基本的には正職員を採用して鍛え上げるべきと考える。その分、嘱託職員の数は減ってしまうことになるが、市役所が地場企業に対して、「十分な責任を持たせることができない職員ばかりを増やしてでも人件費を圧縮する」という姿勢を示すべきなのか、それとも「市民のために組織を磐石にすべく、ある程度の費用を負担してでも最低限必要な人材はきちんと採用して育成する」という姿勢を示すべきなのか、その差は大きいと考える。
もちろん、全国には室蘭市のような考え方をする自治体もあるが、私の感覚で申し上げると半数以上はそうではない。民間企業でいうところの派遣切りとは少し主旨が異なるかもしれないが、財政難の自治体の多くが財源確保のためにまず手がけたのは、で、臨時・嘱託職員の採用を止めて、その分の業務を自分たちでこなすことであった。
長期的な観点で、現在の正職員がわからないことで嘱託職員にわかることがあるという状況は改めていく必要があると感じる。

○A委員
最近では、どの家庭でも光通信ができるようになった。電話回線も同様である。私は宿泊施設を運営しているが、法的に非常用通報装置の設置が義務づけられている。しかし、その装置が光通信に対応していないようである。こちらの声が相手に聞こえるが、相手の声が聞こえないというような不具合が生じている。電話料金自体は光通信を活用したほうが安価なので抱えている回線はできるだけそちらにシフトしたいと考えているが、先に述べた不具合があるため、少なくとも1回線はこれまでどおりに形で保有しなければならない状態にある。
これは、どこの宿泊施設でも考えられるケースだと思うので、どう対応すればよいのか情報があれば次回以降の会議で教えていただきたい。「アナログ回線」から「デジタル回線」への移行の中で、こういったシステムの不具合が生じるのはある程度止むを得ないことなのかもしれないが、緊急時の対応に関わることなので早期に解決を望む。

○土倉企画財政部長
消防署への通報時に発生する障害ということか。

○A委員
お見込みの通り。非常用通報装置というものがあり、ボタンを押すと消防署に火災発生の事実、場所、時間等を伝えられる仕組みになっている。

○土倉企画財政部長
その問題への対応を含め、消防緊急通信指令施設整備のために1,800万円が予算措置されている。現在の設備は、固定電話からの通報においては相手の情報を把握することができる仕組みであるが、IP電話や携帯電話からの通報には対応していない。これらの通話においては、実際の会話の中で情報を把握する必要があるため、出動までにタイムロスが生じる。設備更新後は、ある程度の場所が自動的に把握できるようになる。

○A委員
更新後は、光電話でもこれまでと同じような運用になるということか。

○土倉企画財政部長
全く同じとは言えないかもしれないが、固定電話以外からの通報でもこれまで把握できなかった位置情報がおおむね特定できるようになるということである。

○三谷総務部長
A委員がおっしゃっているのは、そもそも通話自体ができないということか。

○A委員
全ての不具合を把握している訳ではないが、繋がらない場合もあるし、一方通行でしか音声が届かないという場合もあるようだ。現状では、緊急時に光回線だけでは対応できないため、必然的に割高なアナログ回線を使用するしかない状態である。

○永松会長
その他意見はないようであるが、事務局からは何か連絡事項等はあるか。

○梶浦職員課長
次回の開催予定についてであるが、例年同様9月議会の前に実施し、平成22年度の行革実績や計画の進捗状況について報告したいと考えている。
また、8月9日が行政改革推進委員の任期満了日であることから、その前に次の任期の委員の人選等について作業を進めたいと考えている。

○永松会長
それでは、これで第52回行政改革推進委員会を閉会とする。

お問い合わせ

総務部職員課職員係
住所:〒051-8511 室蘭市幸町1番2号
電話:0143-25-2236   ファクス:0143-24-7601
Eメール:jinji@city.muroran.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

質問:このページの情報は役に立ちましたか? (必須)

 

質問:このページの情報は見つけやすかったですか?(必須)

 

ページトップへ