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教育行政方針

令和6年第1回市議会定例会教育行政方針説明

 

 

 

~目次~

はじめに

1.こども達の安全・安心を守る取組の推進

2.だれ一人取り残すことのない教育の推進

3.「確か」で「豊か」な学校教育への取組

1.「確か」な学校教育への取組

(1)ふるさと室蘭に愛着と誇りを持つ教育の推進

(2)確かな学力の育成

(3)健やかな体の育成

2.「豊か」な学校教育への取組

(1)学校運営協議会への取組

(2)ふるさと室蘭で共に生きる教育への取組

4.こども達と教員が向き合う学習環境の推進

5.生涯を豊かに生きる環境を整える

1.生涯学習・社会教育の推進

2.文化芸術・スポーツ活動の推進

3.社会教育施設の整備・活用

むすび

~本文~

はじめに

令和6年第1回市議会定例会の開会にあたり、令和6年度の教育行政の基本方針と重点施策について申し上げます。

まず最初に、本年1月1日に発生した能登半島地震により、亡くなられた方々やご遺族に対し、哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

また、このたびの被災の報道に接し、こども達が通学もままならない状況を目にし、本市としても、こども達の安全・安心をいかに守るか、改めてその方策について考えさせられたところであります。

甚大な被害を受けられた地域の一日も早い復興を願います。

さて、令和5年度、本市学校教育の今後の道標となる「室蘭市子ども未来指針」を策定いたしました。

新型コロナウイルス感染症により、学校行事や友達との関わりなど、様々な制限のある日常を過ごしてきたこども達が、徐々に笑顔になる環境が戻りつつあります。

こども達は、こども同士の関わりを通じて学び、成長していくことを改めて実感しております。

これまで以上に「すべてのこどもが楽しいと感じる学校」の実現を図るため、家庭、地域、関係機関の方々と一体となり、本指針を基に各施策を確実に遂行して参ります。

また、これからの「人生100年時代」を、生涯を通して心身共に豊かに生きるため、市民ニーズに沿った各種生涯学習施策の推進を目指し、「誰もが生涯にわたって主体的に学び、豊かな感性を育むことができる環境づくり」に向け、より一層の取組を進めて参ります。

以下、そのための具体的な施策を5つの柱にまとめましたので、その概要を申し上げます。

1.こども達の安全・安心を守る取組の推進

昨年、本市においては「いじめ重大事態」を2件確認いたしました。教育委員会として、このことを大変重く受け止めるとともに、児童生徒数と比較して、いじめの認知件数が多くないことから、認知に至らない事案の存在や認知漏れが懸念されるものと強い危機感を持っております。

質の高い学校教育を実現するためには何よりも学校が、こども達にとって安全で安心な場所でなければなりません。

令和6年度は、今一度この原点に立ち返って、こども達の心理的安全性を取り戻すべく、いじめや不登校の対応について重点的に取り組む所存です。

まず、いじめ問題につきましては、「いじめは、誰にでもどこででも起こりうる。」という緊張感を持ち続けるよう、小中学校に改めて強く働き掛けて参ります。

いじめの認知や校内組織の在り方、組織的な対応の手順を継続して周知するとともに、本市いじめ防止対策審議会、小中学校教護会や生徒指導担当教員連絡協議会等の中でも情報を共有し、いじめについての共通理解を図って参ります。

「室蘭市いじめ防止基本方針」に基づく取組として、年5回以上のいじめアンケートについては、いじめの早期発見の重要性に鑑み、よりいじめの認知が進むようその内容等の精査を行うほか、いじめ被害を訴える児童生徒との教育相談を、迅速且つ継続的に実施することにより適切な対応を図るなど、積極的ないじめの認知や組織的な事案対処等の取組を進めることで、いじめを見逃さない体制の強化・徹底を図って参ります。

並行して、全教育活動において行う道徳教育の一層の充実により、「いじめは絶対に許されない」という考えや人権意識の醸成を図って参ります。

また、連続5日以上欠席または累計15日以上欠席した児童生徒について、月末毎に小中学校からの報告を受けておりますが、その欠席理由について、各学校への聞き取りをよりきめ細かく行う中で、休みがちな児童生徒の中に潜む「いじめの芽」の早期発見・早期対応に、学校と一体となって取り組んで参ります。

併せて、北海道教育委員会の事業で配置されているスクールカウンセラーについて、本市独自で相談時間数を追加し、よりきめ細やかな支援体制の整備を図って参ります。

その他、交通安全指導や市内一斉巡回活動、見守り活動、関係機関との通学路の合同点検、迅速な不審者情報の発信、室蘭市安全活動団体との連携についても、引き続き取り組んで参ります。

加えて、夏季の猛暑による熱中症からこども達を守るために、暑さ指数に基づいた臨時休校を含めた対応や、夏季休業期間の延長を検討するとともに、冷房設備については、全小中学校への設置を目指して、段階的な整備を進めて参ります。

また、外部講師を積極的に活用した薬物乱用防止教育や情報モラル教育等の継続・充実を図り、自らの判断と行動で、自分の安全を守る力を養うとともに、SOSの出し方に関する教育を引き続き進めて参ります。

学校給食については、学校給食衛生管理基準を遵守し、こども達への安全・安心な給食提供に引き続き努めるとともに、保護者の負担を考慮し、原材料価格の高騰や円安の影響を受ける学校給食費について、できる限り抑制に努めて参ります。

加えて、学校給食センターの更新に関しては、令和11年度の供用開始を目指し、建設用地の地質調査等の実施や基本計画の策定に着手するとともに、登別市との広域設置に向けた協議、検討を継続して参ります。

また、学校施設の安全確保については、令和5年度に引き続き、長寿命化計画における八丁平小学校の改修工事を進めて参ります。

2.だれ一人取り残すことのない教育の推進

だれ一人取り残すことのない教育の推進については、増加している不登校への対応として、「室蘭市教育サポートセンターくじらん」への交通手段に関わる支援を継続いたします。

また、通室が困難な児童生徒のために、オンラインで学習することができるICT環境の整備や、学校外の公的機関及びフリースクール等の民間施設における相談・指導に関わるガイドラインの策定など、学校内外での多様な学びの場の確保に努めて参ります。

加えて、相談業務の一層の充実を図り、スクールソーシャルワーカーによる心理的サポートや、家庭への関わり方を提案するほか、学校・福祉・医療機関等が連携し、個々のケースに応じた適切な支援や課題の解決に引き続き取り組んで参ります。

また、通級指導の加配教員の積極的な活用などにより、言語指導教室での指導と巡回指導の拡充を図るほか、障がいの有無に関わらず、全てのこどもができるだけ同じ場で学び、共に育つ、インクルーシブ教育を引き続き推進して参ります。

加えて、医療的ケア児及びその家族に対する支援体制の整備に向け、調査・検討を進めて参ります。

さらに、就学援助と特別支援教育奨励費の制度周知、並びに、適切な支給及び相談体制の充実、学習支援事業の周知などにより、全てのこども達が、安心して学ぶことができる環境づくりに引き続き取り組んで参ります。

3.「確か」で「豊か」な学校教育への取組

令和6年度は、子ども未来指針の完全実施に向けて「確か」で「豊か」な学校教育への取組を充実させる年にいたします。

1.「確か」な学校教育への取組

「確か」な学校教育への取組については、令和5年度、各中学校区で、各学年で段階的にステップアップが出来るよう教育課程の見直しを開始しており、令和6年度中には、義務教育9年間を見通した教育課程を編成いたします。

これにより、小中学校で設定する学習テーマの連続性を確保するとともに、小中学校間における指導の差異を少なくすることで、確かな学校教育へとつなげて参ります。

(1)ふるさと室蘭に愛着と誇りを持つ教育の推進

ふるさと室蘭に愛着と誇りをもつ教育については、総合的な学習の時間に関する機会の拡充を図るため、新たに「室蘭ふるさと学習」として、小学校1年生から中学校3年生まで、校外学習を実施可能といたします。

これにより、こども達がものづくりのまち・室蘭の技術や特色、地域の人々や豊かな自然の素晴らしさ等に触れる機会を、毎年、得ることが可能となり、様々な体験活動を通じて、ふるさと室蘭への理解を深めるとともに、郷土への愛着と誇りを育んで参ります。

(2)確かな学力の育成

確かな学力の育成につきましては、社会の変化やこども達の多様化に伴い、新たな時代に即した学びを展開していく必要があります。

個々のこどもの実態を的確に把握した上で、1人1台端末を活用した「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体化を推進し、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を進めて参ります。

そのために、授業支援システムの導入や、パイロットスクール事業と学力向上事業の継続実施により、教員の授業力向上を図るとともに、子ども未来指針に掲げる小中一体となった教育により、確かな学力を育成して参ります。

加えて、端末の持ち帰りによる家庭学習の充実にも引き続き取り組んで参ります。

(3)健やかな体の育成

健やかな体の育成については、義務教育9年間を通して、こども達の体力向上と運動習慣の定着が求められることから、全学年で実施している体力テストの種目数や、体育専科教員の配置がない小学校における中学校保健体育科教員との協力体制について、検討を開始いたします。

また、健康の保持増進を図る能力を育成するために、規則正しい生活習慣の習得、栄養教諭による食育指導のほか、「がん教育」の取組を引き続き進めて参ります。

2.「豊か」な学校教育への取組

(1)学校運営協議会への取組

学校運営協議会への取組については、昨年11月、委員研修会を開催し、改めてコミュニティ・スクールへの理解を深めていただきました。

徐々にではありますが、各中学校区それぞれの特徴を活かした取組が着実に動き始めているところであります。

令和6年度は、地域ごとの取組の違いや、コーディネート体制の強化など課題の克服に向けた室蘭市学校運営協議会の開催を計画し、各協議会の情報交換を行うなど、地域ごとにできることを考えながら、互いの活動の見える化と活性化を図って参ります。

今後も、学校・家庭・地域の三者の意思疎通と連絡調整を図り、円滑な関係づくりを大切にするとともに、同じ目線でこども達を育むことのできる学校づくりに向け、保護者や地域の皆様の声が、的確に反映され学校運営協議会の活性化に資するよう、様々な視点から支援を行って参ります。

(2)ふるさと室蘭で共に生きる教育への取組

ふるさと室蘭で共に生きる教育については、昨年、東明中学校区で、学校・家庭・地域三者合同の地震を想定した避難訓練が実施されております。

今後、地域や関係機関と連携した体験的な教育活動を全市的に広げて参ります。

また、福祉教育についても、新たに認知症講座を総合的な学習の時間で実施した学校がございます。

今後、子ども未来指針の一層の具体策を小中学校に示しながら、各学校での取組が充実したものとなるよう進めて参ります。

以上のことにより、こども達が様々な人達に触れる機会を得て、「豊か」な学校教育の実現を目指して参ります。

なお、「確か」で「豊か」な学校教育のモデルとなる白鳥台地区の義務教育学校「白蘭学園」については、令和7年4月の開校に向け、こども・保護者・地域の皆様の声を伺いながら、校舎の改修、校章・校歌等の検討、教育課程の編成等を進めて参ります。

また、蘭中・蘭西地区におけるこれからの学校づくりについても、引き続き協議を進めて参ります。

4.こども達と教員が向き合う学習環境の推進

こども達と教員が向き合う学習環境の推進については、教員の働き方改革を念頭とした校務支援システムの活用習熟等により、教員の事務負担の軽減に努めて参ります。

複雑多様化する学校課題に対しては、北海道教育委員会が実施する「学校における法律相談支援事業」を活用するなどして、教員の業務負担の軽減に努めて参ります。

また、継続して、主幹教諭や小学校専科指導、少人数指導等の加配教員の活用を図り、学校運営体制の整備・充実に努めて参ります。

部活動の地域移行については、令和6年度、サッカー部を拠点校方式による合同部活動として実施いたしますが、今後は、団体競技を中心に対象種目の拡充を図るとともに、各種団体や民間企業とも連携しながら、令和8年度の地域移行を目指し、こども達が興味・関心を持つ文化・スポーツ活動に触れることができる環境の整備を進めて参ります。

5.生涯を豊かに生きる環境を整える

次に、「生涯を豊かに生きる環境を整える」についてであります。

1.生涯学習・社会教育の推進

生涯学習・社会教育の推進については、「室蘭市社会教育振興計画」に基づき、市民一人ひとりが生涯にわたり学び、豊かな生活を送りながら、多様な生き方を認め合い、共に支える地域社会の実現を目指し、各種関係団体が有する知識・経験を活かした事業を推進して参ります。

また、読書週間を中心とした各種催事により、生涯にわたっての学びの基盤となる本への興味・関心を持つ機会づくりをはじめとした読書活動を推進して参ります。

加えて、港の文学館においては、「茂呂瀾から室蘭」を年間テーマとし、各種展示や企画展などを開催して参ります。

2.文化芸術・スポーツ活動の推進

文化芸術の推進については、西いぶり定住自立圏文化事業や、民俗資料館や市民美術館における企画展などの開催に加え、特色ある地域資源や人材等の活用のほか、新たに小中学生を対象とした演劇等の芸術鑑賞事業によって、こども達が文化芸術に触れる機会を創出するなど、豊かな感性や創造性を育んで参ります。

縄文文化・アイヌ文化の普及啓発については、市民団体との連携による旧絵鞆小学校を活用した展示や体験学習等の取組の充実に努めて参ります。

また、民族共生象徴空間ウポポイなど、施設とアイヌ民具等の情報共有を進めるとともに、地元アイヌ協会等と協力して、その伝統文化や歴史に関する講演会や体験学習会を開催いたします。

スポーツ活動の推進については、7月に全国高校総体女子サッカー競技が入江運動公園陸上競技場及び祝津公園サッカー場で開催予定であり、参加選手や関係者の皆様にとって、思い出深く有意義な大会となるよう、しっかりとした受け入れ体制の構築を進めて参ります。

3.社会教育施設の整備・活用

社会教育施設の整備・活用については、環境科学館・図書館と入江運動公園総合体育館のほか、令和6年4月に入江運動公園内にオープン予定の新テニスコート、リニューアルした陸上競技場と合わせ、こども達が、自発的な学びと好奇心を育む環境、さらには、スポーツ選手や指導者等の優れた経験や技術に触れる機会の創出にも、引き続き努めて参ります。

むすび

以上、令和6年度の教育行政方針について申し上げました。

今後は、さらなる人口減少やグローバル化、端末を活用した情報教育の進展等、変化の速い予測困難な社会となっていきます。

このような先行き不透明な時代にあって、こども達に、様々な変化を柔軟に受け止め、夢や希望に向かって自らの人生を生き抜く力を育むことは、私たち大人に課せられた重要な役割です。

本市においては、国の教育振興計画を踏まえつつ、いじめ、不登校、学力、今後の教育施設のあり方等の様々な課題に対応しながら、教育施策の大綱の教育目標である「一人ひとりが夢を持ち、新しい時代に挑戦する力、生きる力を育む」の実現に向けて最大限取り組む所存でございますので、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力を、心からお願い申し上げます。

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住所:〒051-8511 室蘭市幸町1番2号
電話:0143-22-5101   ファクス:0143-22-6602
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