市立室蘭総合病院DMAT

DMATは被災地へ迅速に駆けつけて救急医療を行うため、専門的な研修・訓練を受けた災害医療チームです。1995年の阪神・淡路大震災を教訓として整備されてきました。当院では2009年に職員5名が日本DMAT隊員となり、現在は医師3名(うち1名は統括DMAT登録者)・看護師5名・業務調整員2名が活動しています。

当院DMATは2011年3月の東日本大震災の際、航空自衛隊千歳基地に出動し、日本初の広域医療搬送に携わりました。さらに2018年9月の胆振東部地震では、苫小牧市立病院内で胆振日高活動拠点本部を運営し、他の道内・道外DMATと共に地域の医療体制維持に努めました。

DMATが活動するのは実際の災害だけではありません。発災時に病院としてどのように対応するべきか? 当院は2008年に災害拠点病院の指定を受けて以来、全職員の知識向上と対応力を養うために、大規模な訓練を実施してきました。そしてDMATは訓練においても企画・運営をはじめ中心的な役割を果たしています。

大自然と重工業、二つの顔を持つ室蘭は、地震・津波・噴火といった自然災害だけでなく、化学災害など特殊な災害にも備えなければなりません。しかし、どのような災害が起きようとも、最後の砦として当院は地域を守り、その一翼を担うのがDMATなのです。

能登半島地震における当院の取り組み

DMAT活動時の様子

令和6年1月7日(日)に北海道知事から派遣要請を受け、石川県の能登医療圏DMAT活動拠点本部(公立能登総合病院内)に当院DMATが出動しました。

能登半島地震発生にともない、令和6年1月7日に当院第一陣の5名(医師1名、看護師3名、調整員1名)が病院を出発し、被災地では健康スクリーニング、被災状況の確認などの活動を行い、同月14日に無事帰還しました。

その後、1月23日(火)にロジスティックチーム隊員(※)として医師1名が出動し本部での活動指導業務に従事し同月28日に帰還しました。

※医療活動本部業務において、情報収集・分析や医療チームの指揮調整などの本部活動を行う専門の部隊。

DMAT活動報告会

両名、帰還後の2月2日(金)に「DMAT活動報告会」を開き、当院職員らおおよそ160名の前で被災地の状況や室蘭での被災時の問題点などを振り返り報告しました。

会場には職員の他に、北海道や胆振地域の消防、室蘭市議会などからも多くの方達に足を運んでいただきました。

活動報告会の様子
活動報告会の様子

北海道胆振東部地震における当院の取り組み

胆振東部地震での活動の様子1

平成30年9月6日に発生した北海道胆振東部地震において、厚生労働省からの要請を受け市立室蘭総合病院DMAT(災害支援医療チーム)が出動しました。

発災当日から苫小牧市立病院に設置された東胆振活動拠点本部で当院の医師が本部長を務め、西胆振及び東胆振の医療需要の把握、供給体制の調整を行いました。

また、各医療機関や避難所への定期確認をしながら、苫小牧市内の医療機関における患者の室蘭への搬送要請を行うなど多くの役割を果たし、9月9日まで活動を行いました。

胆振東部地震での活動の様子2

東日本大震災における当院の取り組み

東日本大震災での活動の様子

3月11日 市立室蘭総合病院DMAT(災害支援医療チーム)が出動しました。

東北地方太平洋沖地震発生にともない、平成23年3月11日に病院を出発して、航空自衛隊千歳基地で医療支援を続けていた市立室蘭総合病院DMATチームが任務を終え、3月15日火曜日15時10分に無事帰還しました。

千歳基地では、北海道の各DMATチームと協力しあって、広域搬送拠点臨時医療施設(SCU=StagingCareUnit)の運営にあたりました。(千歳基地参集は約14チーム)