臨床検査科

臨床検査科

臨床検査科について

当科は、検体検査部門、生体検査部門の2部門で構成され、それぞれが専門性を発揮するなかで、検査の質の向上を目指すとともに、迅速・正確なデータを提供し、安心・信頼される診療支援体制の確立を目指しています。

検体検査では、血液や尿、体腔液、組織などに含まれる色々な成分を調べたり、病原微生物やがん細胞の検索などを行っています。生体検査では、心電図や超音波検査、呼吸機能検査、脳波検査、眼科関連検査、耳鼻科関連検査など、直接患者さんに対して行っています。

部門

検体検査部門

生化学検査、一般検査、血液検査、輸血・血清検査、微生物検査、病理検査

生理検査部門

循環機能検査、呼吸機能検査、超音波検査、脳波検査、神経・筋系検査、耳鼻科関連検査、眼科関連検査

検査

次の1~6の目的で検査をしますので、同じ検査を短期間の間に複数回行う場合もあります。

  1. 診療の補助
    1. 危険因子や病原体の検査
    2. 障害の部位・範囲・程度・性質の検査
  2. 治療薬などの有効性のモニター
  3. 治療効果のモニター
  4. 治療法の副作用の監視と評価
  5. 治療の判定
  6. 予後の判定

肝臓は「沈黙の臓器」と言われるほど、多少の肝機能障害では、症状が出にくい場合が多く、症状が出た時には、すでに肝臓のダメージが大きく、場合によっては手の付けられない状態になっている事があります。

検査室では血液検査により、肝機能障害をいち早く見つける事が可能であり、数値により肝臓のダメージを予測する事が出来ます。

例えば、検査項目のγ-GTPは飲酒状態により大きく変動し、アルコール性肝障害の指標となります。また、胆石や腫瘍により胆管が閉塞すると、ALP、γ-GTP、ビリルビンなどが上昇してきます。中でもビリルビンは胆管の閉塞で最も重要な検査項目で、黄だんの程度を知るための指標となります。[黄だんは肝細胞障害(急性肝炎など)や胆管の閉塞(胆石や腫瘍など)でも起こります]日本人の肝臓病は約80%がウイルスによって引き起こされています。

そのなかでも、肝硬変や肝臓癌といった、重い肝臓病へ移行するのは、B型肝炎とC型肝炎です。B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、HBs抗原・HBs抗体検査・HCV抗体検査を測定する事で見つけ出す事ができ、そのウイルス量もある程度予測可能です。

いくつか肝臓病と検査項目を紹介しましたが、多くの場合、肝細胞が破壊され、破壊の程度が強いほど、数値が高くなり、逆に肝機能障害の改善とともに低下してきます。

肝臓病には色々な原因があり、それに合わせて検査項目の種類も多く存在します。「沈黙の臓器」と言われるほどの臓器でありますので、症状がでる前に検査し、肝機能障害を見つける事が大切です。

肝機能検査を測定する装置

検査項目

殆どの方が、スクリーニング検査として病院で採血されていると思われます。

目的

血液中には様々な成分が存在しており、体の状態の変化(病気など)によって血液中の量が増えたり減ったりします。それぞれの項目の値を測定することで体の状態を把握することが可能です。

採血

血液が固まらないように、抗凝固剤入り(EDTA-2K)の採血管を用います。紫色のキャップです。

検査手順

抗凝固剤入りの採血管で採血された血液を用い多項目全自動血球計数器(下の写真の機械)で測定します。

多項目全自動血球計数器 多項目全自動血球計数器

白血球数(WBC)

白血球は、体内に侵入した異物や病原菌を食べて体を守る働きをします。したがって、体内に細菌や異物が侵入して炎症を起こすと血液中の白血球が増加します。しかし、ウイルス感染症の場合は減少することもあります。また、白血球が減ると免疫機能が低下します。

赤血球数(RBC)

赤血球は胸骨や大腿骨・頸骨の内側にある骨髄の幹細胞でつくられている血液の主成分で酸素を肺から各組織へ運ぶ働きを持っています。減った状態は貧血で、酸素の運搬量が低下して体内が酸素欠乏状態になります。

ヘモグロビン濃度(Hb)

ヘモグロビンは赤血球に含まれており、肺で酸素と結合し全身に運ぶ働きをします。血液が赤色をしているのは、ヘモグロビンが赤色をしているからです。

ヘマトクリット値(Ht)

一定の血液量に対する赤血球の割合(容積)を%で表したものです。貧血の場合は下がり、多血症の場合は上がります。

血小板数(PLT)

血小板は出血を止める為の重要な働きをします。この値が極端に減少すると出血を起こしやすくなります。

もしかしたらアレルギー?・・・と思ったら、迷わず病院で、アレルギー検査を受けてください。

最適なアレルギー治療を受けるため、症状等により自身でアレルギーの有無や種類を判断するのではなく、医師に血液検査を依頼することを検討しましょう。

血液検査は、約200種類ものアレルギー誘因物質(アレルゲン)のアレルギー検査を提供しています。医師と話合い、アレルゲンの種類を検討し、最も疑いの高いアレルゲンを想定し、検査を実施することが可能です。

アレルゲンを特定することは、症状の早期改善に役立つだけでなく、治療する上でも重要です。原因がわかれば対策も立てやすいので、まずは検査をして、適切な治療を受けましょう。

花粉症・ハウスダスト・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎・金属アレルギーなど、アレルギーには様々な症状がありますが、自分のアレルギーの種類やどのくらいアレルギーが強いのかを数値化してくれるのがアレルギー検査です。

全自動アレルギー検査装置

IgEって何?

IgE、すなわち免疫グロブリンEは、抗体と呼ばれるタンパク質の1種です。 特定の物質(アレルゲン)にアレルギーを持つ場合、免疫系は、花粉など通常は無害な物質を身体に有害なものと誤信します。こうした特定物質が体内に侵入すると、免疫系は身体を守ろうと、IgEの生成を開始します。IgE抗体は体内にとどまり、次に同じアレルゲン性物質に接すると、アレルギー反応を引き起こすことがあります。結果として、アレルギーを持つ人では血中IgE濃度が増加しているということがいえます。

特異的IgEとは?

IgE は、各アレルゲンに特異的に反応します。たとえば、ネコに対する IgEが引き起こすのは、ネコに対するアレルギー反応だけということです。

臨床検査科 病理医の紹介

今 信一郎(こん しんいちろう)

今 信一郎(こん しんいちろう)
役職

副院長(兼部長)
出身大学・卒年

札幌医科大学 1980年卒
資格/専門分野

日本病理学会病理専門医、日本病理学会病理専門医研修指導医、 日本臨床細胞学会細胞診専門医、臨床研修指導医
患者の皆様に一言

病理医って御存知ですか?顕微鏡を使って病気の診断をしています。

小西 康宏(こにし やすひろ)

小西 康宏(こにし やすひろ)
役職

科長
出身大学・卒年

札幌医科大学 1990年卒
資格/専門分野

日本病理学会病理専門医、日本臨床細胞学会細胞診専門医
患者の皆様に一言

病理医は患者さんのなじみはうすいかもしれませんが、縁の下に立って頑張ろうと思います。