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第37回室蘭市行政改革推進委員会会議録(要旨)

日時
平成18年7月4日火曜日14時から16時

場所
室蘭市防災センター

出席委員
田村会長、長谷川副会長、櫻庭委員、柴田委員、下國委員、神馬委員、菅原委員、堤委員、藤当委員、土島委員

事務局
寺島助役、豊島総務部長、山田企画財政部長、島田行政改革推進課長、梶浦総務部職員課長、小林企画財政部企画課長土倉企画財政部財政課長、和野財政課財政係長、西舘行政改革推進課主査、矢田行政改革推進課主事補

議題

(1)「財政の見通し」について
(2)後期実施計画策定の基本ポイントについて

議事

田村会長:「財政の見通し」について、事務局から説明願いたい。

『「財政の見通し」について』
・説明:土倉企画財政部財政課長

田村会長:質問意見等があればお願いしたい。

A委員:市立病院の見直しのなかで、公営企業会計に対する繰出金はどうなっているのか。

土倉財政課長:繰出金には基準があり、その基準に基づき繰り出ししている。基準外の繰り出しに関しては、公営企業会計の努力により、一般会計からの繰り出しは減少している。

A委員:公営企業会計の全部適用を導入することにより、市立病院の見直しが独立行政法人のような仕組みと同じことになるのか。

山田企画財政部長:公営企業法の全部適用と独立行政法人制度とは異なる制度であるが、市立病院は公営企業法の全部適用を検討し、実施しなければならないと考えている。

B委員:扶助費の内訳の中で大きなものは生活保護費だが、今後の推移はどうなるか。また、教育扶助費は全国的には増えていく傾向にあるが、室蘭は今後どうなるのか。

土倉財政課長:生活保護費については、まだ若干伸びてはいるものの伸び率は鈍化してきている。地域の経済情勢にもよるが、これまでのような急激な伸びは抑えられ、今後は横ばいに近い状態で推移していくと考えている。

山田企画財政部長:扶助費は平成18年度予算でみると、56億3,600万円であり、扶助費総額に対する生活保護費の割合は61.5パーセントである。

土倉財政課長:教育扶助費については、生活保護費と同様に伸び率は鈍化している。また、生活保護費と同様、国の制度に基づくものであり、連動しているが、教育扶助費は、今後、若干伸びていく傾向にある。
国は予算を縮減してきているので、市の負担は今後増えていく傾向にある。市が負担することが増えていくこととなるので、地方から国へ要望していかなければならない。

B委員:どこの市町村でも同じかもしれないが、建設事業費より多い扶助費の歳出について、検討していかなければならないのでは。

土倉財政課長:国の制度に基づいて一定の基準で支出しているので、市の裁量はないが、財源が減ってきている。国は、生活保護費を抜本的に見直すという方針を出している。その中で、今回、歳出を16兆円カットする中に生活保護費も入っており、また、ここ数年で11兆円~14兆円をカットするとの報道があった。このため、今後も論議していく必要がある。

山田企画財政部長:生活保護率を低下させるために、ハローワークと連携していきたいと考えている。平成17年度の生活保護費は予算額より決算額は減額となっている。これは、景気の回復も若干あると考えている。

B委員:いずれにしても、市税収入の40パーセント以上が生活保護費というのは問題がある。

山田企画財政部長:全額が市の独自の財源ではなく、国の財源も含まれている。

B委員:ただ、市税の134億円の40パーセントに相当する額が生活保護費というのは、市民感情的にも問題があるのではないか。

A委員:今回は一般的な論議のなかで、平成23年までの推計を「財政の見通し」で出している。様々な人口統計をみると、ある本では2030年の室蘭の人口は5万4,000人になるとし、北海道と市町村のシミュレーションでも、7万人を切るだろうと予測されている。この現状のなかで、600人体制というのが今後どう維持し続けることができるのか。また、600人の根拠はなんなのか。このまま減り続けたままで成り立っていくのか。今は方向転換をしていく時期なのではないか。
埼玉県志木市では、市長が代わり100人体制という案を掲げているが、「職員数を減らすことによる、行政サービスの肩代わりをするのは市民の役割」としている。室蘭市も始めているが、完全な無償パートナーではなく有償パートナーなどをもっと考えていく必要がある。
ある程度長期的な見通しがないと、いつまでたっても少しずつしか赤字を減らすことができず、若手の職員の士気も下がっていくと考える。

豊島総務部長:600人体制は、市の都市規模や財政規模、普通会計という一つの基準をベースに、想定した目標数値である。
根拠については、行政の場合、企業と違いどのようなサービスを提供していくのか、一般財源の中で人件費の占める割合がどの程度で安全な経営ができるか、を想定して目標数値を設定している。
その目標に向け、対応可能な事務事業の見直し、あるいは組織のあり方を見直し、後期計画策定の過程で基礎を作り上げていくことを考えている。

山田企画財政部長:財政の見通しは、将来の人口に合わせて推計するのは難しい。今回のように平成18年度の国の交付税などの制度が、今後も続くという前提での推計しかできないのが現状である。国が交付税等の制度を改正した場合は、国の考え方に沿って変更していかなければならない。
人口の推移に基づいて市民税等を推計するのではなく、人口の推移にある程度連動するが、納税義務者について推計し、毎年若干減少していくという推計結果を基に市民税等を積算している。
法人市民税については、今の好況さが不透明であるので、現状が維持という考えで推計はしていない。
財政見通しの表1では、収支不足額は平成22年と平成23年を対比すると約2億円減少している。人件費の職員給が平成20年から減少し、また、退職金は平成22年にピークであることから、このままの推移でいくと平成24年以降の収支は改善されると考えている。ただ、600人体制の確立やその後の職員数の課題などはある。

A委員:600人体制は大変な思いで取り組まれると思うが、今、道が危機的な状況で、かなりの部分の事務量を移譲しようとしてきている。事務量が市の中でも手一杯の部分があると思うが、それにプラスして道からも事務が移譲されてきて、道は作業量だけを移譲し、財源までは移譲してこないと思う。このような中で、市民との協働も進めていかなければならないし、大量退職するOB職員の活用というのも取り込んでいかなければ、仕事がパンクするのではないかと考える。

豊島総務部長:A委員の意見を後期計画に取り込み、具体的な計画として策定することが600人体制の確立となる。また、さらに人口が減少した場合には、市役所をもっと小規模にできるか、コンパクトにできるかの議論を今後していく必要がある。

山田企画財政部長:地方分権が進んでいくなかで、これまでのような行政サービスを続けていくのは難しいと考える。その中で市民の役割と今までの行政サービスを、有償の行政パートナー、指定管理者制度の導入などにより、今後、民でできるものは民でやってもらうようにしていきたい。
以上のことが、「財政の見通し」とは別に、「後期実施計画」策定の一つのテーマとなるのではないかと考えている。

C委員:今の話と関連すると思うが、「財政の見通し」の2ページの歳入の項目をみると、納税義務者数は退職動向を踏まえて推計と記載があるが、実際に踏まえた内容を知りたい。

山田企画財政部長:納税義務者数が減っていく状況があり、それらを基に個人市民税の計算を行なっている。

C委員:そこに年度ごとに大きな差は出てきているのか。

山田企画財政部長:納税義務者は、平成13年の決算見込みから平成18年度の予算の対比で89.8パーセントであることから、年平均1.7パーセントの減少率となり、急激に減少している訳ではない。

A委員:人口の推移で一番厳しい5万4,000人と出した本の中で、伊達市と合併した場合、2030年には50億円の黒字になるという予想があるが、室蘭市単独では、2030年に14億円の赤字になるとされているが、どのように思うか。

豊島総務部長:未来総研の調査では、伊達市の人口は減少しないとされている。

山田企画財政部長:未来総研の場合は、過去数回の国勢調査の推移を基に推計している。過去数回の調査結果を基に推計をした場合、現在、働き盛りの人や若者が減っている室蘭市は、単純な調査結果では人口は30パーセント~40パーセント落ちることになり、2030年には人口が減少していると予想され、伊達市は近年、人口が増加しているので、2030年には人口は増加していると推計される。
未来総研の調査結果を否定する訳ではないが、地方交付税の問題や財政上の課題等は考慮されていないのではないかと懐疑的になる。

寺島助役:合併すると交付税は、合併前の各市町村の交付税の単純な合算額からは減少するが、合併後の5年間は、合併前の各市町村の交付税額の単純合算額が交付されるなどの合併算定替制度があり、それらの制度を考慮しているのかどうか、内容が分からなければ参考として考えにくい。

A委員:本には最適な自治体規模が載っており、それは人口13万人、面積311キロ平方メートル、歳出額565億円が最適な規模といわれている。それを当てはめると、室蘭市と伊達市が合併すると最適に近くなり、これで試算すると、50億円の黒字が出るとされている。秋に行なわれる自治体学会でこのことについて議論する予定である。
総務省で地方交付税の扱いについて「21世紀ビジョン懇談会」で面積、人口に応じた交付金を与えるという法律を、3年以内に制定する予定であるので、広域にすべきなのかも、論議する必要がある。

G委員:「財政の見通し」の策定目的を明確にする必要があるのではないか。前回策定した「財政の見通し」は、財政が危機的な状況にあり、その解消するべき金額の目標を推計し、52億円という目標を定めた。
科学的に分析し、財政の見通しを市民に公開しようという立場になれば、毎年、「財政の見通し」を見直していくことになり、地方分権の道と市の関係や、状況の変化があっても、それに対応することができるので、詳細な科学的分析により行ない、市民に公表しながら計画を修正していく計画を、「財政の見通し」とする方法もあるのではないか。
世の中の議論からいうと、科学的なデータを用いて議論しなければ、理論性を欠くこととなる。市民に公開しながら、議会だけではなく直接民主主義を重視した内容にしていくことが、市民協働の推進につながっていくのではないか。
10年間行政改革の議論をしているが、A委員が危惧している若手職員の士気を落とさぬようしていかなければならず、今回の見通しでの22億円の収支不足という金額が、今後の財政を考えた場合、大きな金額なのか小さな金額なのかが特定できない。
このことは、今後の議論につながってくると考える。また、「財政の見通し」は、もう少し科学的にデータを集め数値化し、精度の高いものに検討する余地があるのではないか。
さらに、職員数、職員給のカット、アウトソーシングなど、これまでかなりの努力で進めてきている。今後、どこまで進めればいいのか、ということが想定できないので、出来れば説明してほしい。

山田企画財政部長:「財政の見通し」は、今後の財政運営のための目安である。毎年、「予算編成方針」を11月ころに作成して予算を構築している。予算は、その時々の制度に応じた細かな計算を行ない、収支均衡を図っている。
科学的な分析について、国の制度等との関連の中で、一般財源については、平成18年度の制度が継続する場合の結果は、ほぼ変わりがない。法人市民税などは、景気の動向に左右され、予算上は10億円であったものが、決算では20億円になるなどの場合があることから、算定が非常に難しい。特に、室蘭市には、本社機能を持たない大手企業が多いため、企業内の配分、減価償却などを含めると、さらに科学的に算定するのは難しい。
問題は歳出であり、財政の見通しの5ページの、歳出その他経費のその他欄の平成18年は約7億2,000万円となっているが、この金額の中には、行政運営上必要な経費が、様々な形で算入されており、それらの5年間の推計を細かく積算するのは、非常に難しい。
しかし、文化センターや中島スポーツセンターなどの、指定管理者制度を導入している施設などは、経費が明白なので反映をさせることかできるなど、明白に算入できる経費は積算しているが、科学的に5年間の算定をするのは、非常に難しい。このことは、他の市町村も同様である。

田村会長:議事の2番目、後期実施計画の策定の基本ポイントについて、事務局から説明願いたい。

「後期実施計画策定の基本ポイントについて」
・説明:島田行政改革推進課長

田村会長:後期実施計画策定の基本ポイントの最後のページについての確認だが、8月にこのような会議は行なわれるのか。

島田行政改革推進課長:8月上旬に行ないたいと考えている。

田村会長:最終的には、基本ポイントの5ページの策定予定にあるように、来年の3月には公表するのか。

島田行政改革推進課長:行政改革推進委員会の今後の審議は、8月上旬に2回目の策定の基本ポイントを審議し、併せて、現在、具体的な項目を精査しているので、主な実施項目について委員の皆さんからご意見をいただき、9月にもう一度会議を開催したいと考えている。
11月には平成19年度の予算編成作業がスタートすることから、それまでには、おおよその実施項目を固め、後期実施計画の初年度の効果を取り込んでいきたいと考えている。そして、2月に策定する予定である。
また、11月までの間に計画の情報提供を行ない、市民説明会を開くなど、市民の意見を聴取していく。

田村会長:後期実施計画策定に係る意見、質問などがあればお願いしたい。

A委員:市民の負担が増えて困ると言っていたが、夕張市のように赤字再建団体にならないためには、市民の負担が増えて当然と考えるが、私たちも自分たちのことは自分たちで行なうようにし、草刈のことからちょっとしたことまで、市役所に頼むという時代は終わったということを、何らかの形で市民に対しアピールしていかなければならないと考える。
今、職員の若手チームが集まり会議を開催しているというが、その若手職員がどのような思いを抱き、取り組みをしているのか私たち委員も知りたいので、そのような会合はできるのかどうかを知りたい。
また、補助金などの削減で各種団体に独立を働き掛けたが、その中でなくしてはいけない団体、そうでない団体とがあるので、よく考えていくべきである。
体育館に関しては、後ろ向きの部分もあるように見えるので、例えばスポーツ施設のスタンドの椅子を市民に購入してもらうことや、企業などの広告を掲載して広告料収入を得て、事業を行なっていくのはどうか。

D委員:協働という言葉にこだわる訳ではないが、協働のまちづくり指針を読むと、行き着くところは住民自治である。段階はあるとは思うが、協働から住民自治であると考えている。住民自治というのは、地方自治の本旨であり、協働のまちづくりを目標にして、行政も市民もそれに向かって何かを行なっていく方向性もあるのではないか。
例えば、高齢化社会でお年寄りが余った時間で生涯学習を通じながら、住民自治に向かって何かできないか。そして、そういうものの背中を押すような仕事を行政が行なうか、そういう市民の意識改革、行政の意識改革があり、人づくりができて初めて住民自治の方向へ向かっていくと考える。しかし、現状をみていると、違う方向に向かっているのではと、疑問に思う。例えば今後の総合計画の中に、協働というものをどう取り込んでいくのか。

G委員:財政赤字の話と、市民社会を作る話は全く関係のないものである。本当は市民社会を作るための明るい心意気が必要なのに、赤字だから頑張ろうと市民に訴えても、市民には伝わらないので負のスパイラルになるのではないか。

山田企画財政部長:今、2人の委員が言われたことは、まさにそのとおりであると考えている。協働のまちづくり指針は、活動している市民の意見を参考に作成し、市民活動センターは港湾部庁舎に設置した。今後は、団塊の世代の方々にPRし、支援等をしていけるかが課題である。市民活動センターも軌道に乗れば、市民の方々に任していきたいと考えている。
今後、行政がどう関わって支援していくかが課題である。まちピカパートナーも多くの市民が参加し、NPO法人も室蘭の人口規模からみると多いのが現状である。
まちづくり指針は策定しているが、さらに、まちづくり条例などを検討し、総合的なまちづくりのなかでそのような位置づけとするのか、また、平成19年度策定予定の総合計画の中でどう位置づけていくかが課題である。
今回の行政改革の計画とまちづくりや施策の要素である総合計画を平行して進めていくと、本来の行政改革の目的からは、少しずれていくと考えているので、先ほどの島田行政改革推進課長の説明の趣旨を踏まえ理解していただきたい。
総合計画に関しては、行革の計画に1年遅れで策定することとなるが、平成20年から10年間の計画とするのか、また、財政の見通しに年度を合わせるのかなど、期間の設定は決まっていない。
福祉や市民協働については、もう既に市民活動団体など様々なかたから意見を聴いているので、今後、改めて意見を聴くという方法ではなく、それらの意見を生かしながら、地方分権、将来的な行政のあり方など、いろいろな要素を取り入れ整理して、行政の考えをまとめる過程で、審議会を立ち上げ審議するのではなく、行政改革推進委員会とは別の場で論議し、意見交換を行ない策定していきたいと考えている。

田村会長:今回の後期実施計画の3年計画を逸脱しないものとしたいとのことだが、意見はないか。

E委員:市民活動センターの取り組み状況を知りたい。

山田企画財政部長:港湾部庁舎に6月1日に開設し、女性主幹2名、嘱託職員1名、行政パートナー1名の4人体制で、土曜日も開館している。永続的に港湾部庁舎に設置していく考えはなく、設置場所は今後も随時検討していきたいと思う。
団体、個人のかたが相談などで多数来ているが、開設してまだ1ヶ月なので、成果の分析等は出来ていないが、市民に利用してもらっていることから、よい傾向にあると考えている。

E委員:日ごろ、様々な活動に参加している人たちに抵抗はないが、ボランティア活動などをしたことのない人たちに、どのようにして市民協働というものを理解してもらえばよいのか、意識改革が課題であるが、その意識改革をどう行なっていくのがよいのか。

山田企画財政部長:市民大学などを実施している団体もあるが、地域は地域で守って行くということが、最終的なテーマとなる。それには町会の存在が重要となる。そこに行政がどのような支援ができるのか課題である。
市民活動センターは社会参加や生きがいづくりへの支援的な要素が主であり、地域コミュニティは大きなテーマであることから、今後どのような取り組みができるのか、町会等とどのように連携して行くのかが課題である。ただ、申し訳ないことだが、我々はまだ明確な考えを持つに到っていない。

F委員:小さな市役所は600人体制を目標としているが、市役所が率先して職員の削減を進めていくと、民間企業も削減をしていくことになり、その意味ではあまり人員削減を進めてほしくない。少数化に向けては職場内研修を行ない、スペシャリスト、マルチタイプ職員を養成していくとしているが、今までも研修は行なっていると思うが、これからどのような研修を行なっていくのか明確にしていくべき。

G委員:現在、173の町会自治会があるが、先ほどの議論に出ていたように、役員になる人がいないなどの問題や、町会数が多いため町会から市役所への依頼が殺到すると、市役所がパンクしてしまう。そのため、「小さな市役所と大きな町会」を作るのはどうか。町会をまとめることで協働化が進んでいくのではないか。市役所にも考えてほしい。

C委員:市役所は小さな市役所として600人体制を進めているが、私たち企業の経験でいうと、効率化や適正人員を考えてきた。組織を小さくしていくときに考えなければならい大切なことは、ノウハウを無くしていかないようにしていくことである。ノウハウというのは、知識やマニュアルだけでは補いきれない部分があり、そこには経験というものがついてくる。高齢化で経験者がいなくなるとき、支えきれなくなる。このとき、高齢者が退職年齢を超えても、ノウハウを持ち、伝授できる体力があれば、そのような人をある期間採用し、ノウハウを伝授してもらう。ノウハウは人がいなければ経験値を積むことができないので、財政的に厳しい面はあると思うが、次の世代のことを考えると重要なことと考える。

H委員:中期実施計画の中で52億円不足するのが分かっていて、平成23年度までの累積収支不足を22億円に留めたとあるが、残り分はゼロに向かって進んでいくということなのか。

土倉財政課長:平成15年度に策定した財政の見通しによる平成20年度までに52億円の収支不足が生じる推計を基に、協働改革プランを策定して解消に努めている。52億円のうち、平成18年度までに市民の協力や人件費のカットなどで協働改革プランの成果を含め約32億円の解消ができたと試算している。しかし、改めて平成19年度から平成23年度までを同じように試算したとき、22億円の赤字がでると推計されるので、まだ楽観することはできない。

H委員:科学館などの施設は、指定管理者、民間委託などで民間に委託されてから素晴らしい形に変わったが、今まで市がそのように変えることのできなかった理由は何か。

豊島総務部長:市が直営していたときは、来客数や利益率などを重視していなかった傾向にある。なぜなら、来客の満足度など抽象的な部分を重視し、重要であると価値付けていた。このような経営手法を長年継続すると収益性等に関してのマイナスの問題が積み重なっていくこととなる。
職員に関しては、数年で異動することから専門性が必ずしも高まらない。そうすると、市民に対するサービスを新しいものに変えていくことができず、前と同じサービスを繰り返すことになる。しかし、指定管理者は自分達のPRする専門性やセールスポイントが明確にあり、市民がそれに関心を持ち来客者が増え、相乗効果としてリピーターも増えていくことになる。

H委員:市は儲かるかもしれない事業を手放したということにはならないのか。

豊島総務部長:市の職員が行なうと儲からない状態であり、パラドックスとなる。

H委員:市が最低限行なわなければならないサービスはあるが、それ以外の中で、何か収入を増やすなどの努力はしないのか。

豊島総務部長:市が行なうサービスと考えると難しい。

寺島助役:先ほど、A委員が述べていたように、市は体育館、野球場などに看板を設置して、広告料収入の増加を検討しているが、これらをどう活用し、PRしていくかが課題である。ただ、儲けるというのは個人が儲けるということではなく、市民にどう還元していくかが一番大切で、この視点で物事を考えていかなければ、これからの時代に生き残っていけないと考えるので、一層の努力をしていきたい。

D委員:自分が将来生きていない20年先の世の中のことを、今、選択しようとしている。しかし、逃げずに正面から議論していくことが大切である。これは市役所職員も同じであるので、逃げないで議論していってほしい。時代の流れで、地方分権と住民自治は同じで、そこに沿った形で次の準備をしていくべきである。

A委員:小さな市役所を考えたときにIT化は重要で、北海道の場合、パソコンは割り当てられているが、効率は上がっていないといわれている。今後、市役所の中でもIT化を効率よく進めていくよう考えるべきである。
住基カードの活用機会を増やし、効率化を進めることも必要と考える。室蘭も人口が減少しているなかで、移住などの対策を行なっているが、それだけでは人口は増えない。今後、世界的には人口は増えていくが、日本だけをみると人口は減っていくため、国際的な移民なども考えて、国際都市室蘭というのを売り込むのはどうか。
日本だけでは人が足りないというならば、室蘭の基幹産業を支えていくために、国際的な移民も必要ではないかと考える。

B委員:私も何社か企業を経験しているが、どの企業にも企業文化というものがあり、これを直していくのは難しい。同じようなことが市役所にも当てはまると思う。市民の意識を変えていくことを、市役所の内部の人間だけで考えていては、良い発想は出ない。伊達市では、まち主体の勉強会に市職員が参加している。そのような会議で市民の意見を聴くことで、新しい発想が出てくるのではないか。
出来上がったものを行政改革推進委員会で議論するのではなく、課長職や若手職員の部内行政改革推進チームの中に、まちの人が参加するというほうが、新しいアイデアも出てくるのではないか。この方法は難しいのか。

豊島総務部長:協働のまちづくりとは、市民が豊かに生活できるように協働していくものであり、その手段の一つである行政運営方法の行政改革とは、少し違うと考えている。
この二つのテーマは連動するものの別の分野であると考えていることから、後期実施計画の策定は、財政や行政運営の分野に限定して策定していこうと考えている。
そのため、A委員の述べたテーマを行政改革の中に取り入れていくのは難しいと考える。
また、市民と市の職員が、協働のまちづくりなどのテーマで話し合い議論するのは、行政の専門的な議論と市民の一般的な議論とを一つの整合性を保った形で進めていく手法を確立していないため、現状では、難しいと考えている。B委員が述べていたように、市役所には、古き良き時代の流れや慣習等があり、それを時代の変化に対応した改革が出来ているのかどうかについては、現状では確信が持てない。
協働改革プランで職員の意識改革は出来つつあると認識してはいるが、その方法については、次回の委員会まで検討させていただきたい。

山田企画財政部長:若手チームとの懇談については、各部の行政改革推進チームにサブリーダーがいるので、これらの職員に参加してもらうことなどを検討していきたい。移住定住については、今年は東京へ行きIターンなどのPRをしてきたが、30歳代などの若いかたから室蘭で働きたいという声があった。団塊世代の移住定住については、道内、道外からの体験定住などを今後も続けていきたい。
移民については、将来的には考えるとしても、市のレベルでは難しいと思うが、国全体の中で検討していく必要のある課題と考えている。住基カードの活用については、1パーセントを切っている普及率を改善し、宮崎市などの例を参考にして、個人情報保護との関係を検討しながら住基カードの活用を進めていきたい。

田村会長:「財政の見通し」に対する意見をもらい、内容を理解できた。後期の実施計画の方向性については、協働改革プランを引き継ぎ、さらに良いものを策定できるよう進めていきたい。他に質問等なければ、これで本日の会議を終了する。

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